My Mad Fat Diary ~大きな体の口が達者な女の子×ティーン・ドラマ×ブリットポップ


最も信頼しているテレビ局E4のドラマ。
ここ数年の若者向けドラマの集大成って感じのレベルの高さ。
6話という短いシリーズだったけど、もう次の製作が決まったのも納得。

『My Fat, Mad Teenage Diary』という小説が原作。
体の大きい女の子Rae()が、精神科を退院するところから始まる。

Raeは、自意識過剰、自己肯定が低い、ネガティブ、反抗期という思春期真っ盛り。
いつも何かを考えている。その考えを日記に書く。
ドラマの始まりは、いつも「Dear Diary」。(『プリティ・プリンセス』と一緒)

病院に入っていたことは誰にも言っていない。
幼なじみのChloe()には、フランス旅行って言っていた。
退院直後に再開し、彼女たちのグループに入ることになったRae。
美人でスタイルもいいChloeのグループは、イケてるグループ。
病院から急にそんな光り輝くところへ放り込まれたRaeのとまどいが素直に現れていてかわいい。

そして、このグループのメンバーが最高。
主な登場人物を好きになれるかなれないかは、ドラマを観続けるかどうかに関わってくるので重要。
このメンバーはどうして仲良しなの?って感じにバラバラのタイプが集まっている。
まあ、イギリスだったら、アメリカよりもそういうことはあるのかもしれない。
イケてるって言っても、体育会系過ぎないし、音楽の趣味つながりかもしれない。

それぞれがTeenものによくあるような問題や性格を受け持っていてわかりやすい。
自殺未遂、精神病、アルコール中毒、ゲイ、10代の妊娠などの重いものから、親友との関係、片思いの話など、これまでのTeenドラマに出てきた題材をひとまとめにしてくれた感じ。

さらに、このドラマをおもしろくしているのが90年代を舞台にしているところ。
90sリバイバル!
しかも、今回はイギリスが舞台。
ブリットポップの本元。
Raeが気合を入れるときにはThe Stone Rosesを聞いて、Oasisのアルバムはお宝扱い。デーモンのポスターに話しかけたり。




オープニング・テーマ曲は、The Charlatans。他にも、Suede、Pulp、The Verve、Radiohead、Bjorkなど。
この時代ドンピシャの人にとっては、ドラマの内容を見てないでも、流しているだけで楽しめそう。

登場人物別に思い出してまとめてく。


Raeは、はみ出し者。
部屋中ロックバンドのポスターで埋め尽くされてて、音楽の知識が彼女の強み。
第一印象でCoolに決めるためにRaeがジュークボックスでかけたのは、Beastie Boysの「Sabotage」。
でも、それ以外ではすごく自己肯定が低く、「どうせ私なんて」って感じ。
だから、初めは病院を出るのが嫌で、現実の世界を怖がっていた。
その不満をぶつける相手はお母さん。
シングルマザーで、今は恋人の不法滞在の外国人をかくまっている。
Raeはお母さんのやること言うことすべてが嫌い。ただの反抗期なんだけど。
でも、お母さんは足りないながらも、何があってもRaeを受けとめてくれる唯一の人。
また、セラピスト()の助けも大きい。
Raeに喋らせて、心の中のもやもやを整理して、確認させてる。
彼にすらRaeは反抗をぶつけるんだけど、それでもちゃんと話を聞いてくれる大人がいるのは助けになると思う。
Raeの悩みの部分は外見についてもあるけど、それを他人(親友のChloe)と比べて卑下してるところがある。
でもそれって思春期の女の子には普通だし、よくあることだと思う。
Raeの場合はそれを気にしすぎて自傷にまでいってしまった。
見ていてすごく辛かった。
社会参加ってすごく大変で苦しいリハビリかもしれないけど、1番の近道かもしれないって思った。
もしかして失敗してまた心が傷ついてもう戻らないかもしれない。
でも、得るものも大きい。
日記に書かなくても一生忘れられない体験になる。
Raeは勇気を出して出て行って、ゆっくり自分の居場所をつくっていって、信頼できる人を増やしていって、そうやって生きる道を見つけた。
ラッキーなこともあるけど、出ていかなかったら始まらない。
演じるSharonは、くりっくりの大きな目がチャームポイント。
表情が自然で、ふくれっ面など、愛嬌があってかわいい。

タイトルに書いた「大きな体の口が達者な女の子」ってのは『Girls』でレナ・ダナム演じるハンナをちょっと意識した。
性格は全然違うかもしれない。ハンナは自分に自信を持ってるって言ってるから。
でも、Raeが自分を認めて解放できたらハンナみたいになりそう。
口が達者で、頭も切れる。
とか(『Pitch Perfect』早く見たい)、言うことハッキリしていてキツイように見えるけど、嫌いになれない魅力がある女の子のキャラクターが増えている。



Chloeは、女王様。
グループ内で1番美人で、男の子の扱いにも慣れてるけど、誰と付き合ってるわけでもなさげ。
いつもセクシーな格好で、目の栄養。
グループ内の女の子の中の誰よりも進んでいる。
セックスを1番に体験したのも彼女。
でもChloeは秘密恋愛だった。
Raeとはお互いの秘密を共有するが、うまくいかなくて喧嘩になることも。
それでも、1番必要なときにいてくれるのが親友。
時には敵、時には味方になりながら、こういう存在がいるのっていいなって思った。
演じるJodieは、 近寄りがたい美人ではなく、ホワイトトラッシュ感のある親しみやすさがちょうどいい。
イギリスの薄い女の子系統。


Finn()は、Raeが片思いする男の子。
役回りはCoolな不良?
無口で、突然グループに入ってきたRaeに最初は冷たいんだけど、徐々に音楽の話とかで打ち解けていく。
そして、Raeの妄想に騎士として登場し、現実世界でも彼女を守ってくれて、RaeはFinnを好きになっていく。
また、内緒で病気のおばあちゃんを見舞っているという、不良が捨て猫をかわいがる的な面も。
演じるNicoはよくいるイギリスの男の子の見た目。
くしゅっと笑う顔がかわいい。あんな顔を至近距離でやられたら、女の子みんなswoonってなるよ。
しかもRaeに親しみを持つようになってからは、スキンシップが増えて、隣にねっころがってRaeの脚の上に脚を乗せてきたりするの。(よく考えると、Raeのが下なのでちょっとひどい?)
口ベタだからって、指で肌に文字を書いて伝えるってのが2人のコミュニケーションになってるのもかわいい。



Archie()は、Raeが1番最初に気になった男の子。
役回りは文化系男子。
眼鏡をかけていて、パブでギターを弾いて歌を歌う。
繊細で優しい男の子。
後にRaeにゲイをカミングアウトすることになるんだけど、それ以降の2人の関係がかわいい。
Raeがすっかりお姉さんになって、Archieに優しいの。
演じるDanもザ・イギリスの男の子って感じ。
このグループの男の子たち、地味すぎず個性的すぎず、バランスが最高。しかも3人ともタイプ違うし。


もう一人の男の子、Chop()はお調子者のムードメーカー。
訛がきつく、下品で、Raeのことを“レイモンド”って呼ぶ。
でも、誰にでも優しくて、初対面でも気軽に接してくれて、懐の深い良い男。
男の子たちがOasisのライブに行くことになったときに、Raeを誘ってくれて(他の女の子は誘われてない)、みんなでお揃いのOasisTシャツまで準備してたとことか(しかも背中に名前入り!フーリガンっぽい)。
演じるJordanは、3人の中では1番昔ながらの顔っぽい。
『This Is England』に出れる感じ。
Chopも十分恋愛対象になる性格とルックスなのは、うれしいけどちょっとできすぎって思っちゃうね。


もう一人の女の子Izzy()は、かわいい妹の役回り。
素直で明るくて優しいんだけど、ちょっと頭が弱い感じ。
『ミーン・ガールズ』のアマンダ・セイフライドっぽい感じかな。
演じるCiaraもかわいくて、このドラマに出てる人みんなかわいいよ。すごい。

以上が外の世界に出てきてからの仲間。
他に、精神病院の友だちがいる。


1番の友だちがTix()。
太ることが怖くて、カロリーを気にして食べられない。
取ったカロリー分は運動して落とさないと気がすまない。
あと、触られるのも嫌い。
Raeとは、トイレの個室に隣同士で入ってお喋りするのがいつもの。
病院を出て、新たな生活をしているRaeを尊敬していて、信頼してるし、心のよりどころになってる。
だから、Raeが毎回新しい話を持ってきて、トイレで話して聞かせると、Tixの顔は輝いて、彼女の気持ちも少しずつ変わってくるのがうれしい。
演じるSophieもかわいいの。
小さい歯がとがってて、ショートカットで質素な格好していて、体も薄いから男の子っぽいけど、彼女は美人さん。


Danny Two-Hats()はもう一人の病院の友だち。
帽子を2つ重ねてかぶっているのが特徴。
Raeに恋愛のアドバイスをするような賢い面もあるけど、どこか不安定で、ずっと病院にいることからも、彼の病気は深刻なんじゃないかって思う。
とにかくおしゃべりが好きで、社交的なのがいい。
ただ、調子に乗ると止められないから大変。
演じるDarrenが、ここに出てくる中では1番好み。
ギョロっとした目で、ねずみ顔。
『Submarine』にも出てたんだ。また見直そう。

お話や音楽もいいんだけど、キャストも文句なしで、さすがE4!って叫びたい。

書いていて、改めて思ったけど、90年代、思春期の女の子と恋愛や親友、ゲイの友だちなどを描いたドラマって『My So-Called Life』だね。
こっちはアメリカなので、グランジ~オルタナ音楽だけど。
あと、家族の話も多いし、扱う話題も全体的にもっと重くなってる。
リアルタイムでそれをやってたってすごいなあ。
もう一度こっちも観たくなった。

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