Indie Rockリスナーの私がK-Popにハマった理由を考えてみた

by - 6/05/2013


興味をもって見るようになってから約1年がたったのと、韓国旅行に行ってきたことを踏まえてK-Popと私について書いてみたい。
って考えてたらとっても長くなっちゃった。

まず、欧米文化にしか興味がなくって、そればっかりだったところからだんだん変わって来たきっかけは、One Directionの影響が大きいと思う。
久しぶりに世界規模でのアイドルブームを起こした1Dを、始まり(X-Factor)から見ていたという愛着で(それ以上に彼らの魅力があるからだけど)注目していくなかで、他のアイドルにも興味を持つようになった。
イギリスのアイドルから、アメリカのアイドル。
そして、日本や韓国も。
いろいろ見ると、似てるところや違うところが見えてきておもしろい。
つくづく自分はオタク気質なんだろうな。

K-Popの始まりは、私がOne Directionを紹介した代わりに、SHINeeを教わったところから。
それが約1年前。
それまでは、なんでK-Popはテレビで大きく扱われるのに、世界規模の欧米の音楽は正しく扱われないのかって苛立ちを持っていた。
まだ1Dが日本デビューする前で、世間が嫌韓な雰囲気になる前だったというのもあるかな。
それから国内での韓国に対する扱いが微妙に変わってきたのと、1Dの日本デビューが結構大々的に行われたってので、その苛立ちはちょっと収まっていった。
さらに、自分自身がK-Popに興味を持ってはまっていったというのもある。

最初はメンバーを覚えるのも大変だった。
ファンがつくったメンバー覚えるためのビデオを見せられたけど、全然覚えられなかった。
SHINeeでまず覚えたのは、「この子はダンスも歌も微妙だけど、ルックスがいいの」と教えられたミノ。
名前も簡単だったし。
K-Popアイドルを覚えるのが難しい理由のひとつに、曲によって毎回イメチェンをするってのがある。
しかも、1曲のMVの中でも衣装を3つも4つも着替える(さらに髪型も変わる!)。
だから見た目の特徴で覚えることが難しい。
あと、似た名前が多いのも混乱しやすい原因(ジヨン、ジュニョン、ジニョンとか)。
メンバーはバラエティ番組を見ると覚えやすかった。
それぞれの性格が出るから、見た目だけじゃなくて個性と一緒に覚えられる。
だから私は音楽聴くよりも先にアイドルの出演しているバラエティ番組にはまった。


K-Popにはまる理由の1つとして、「コンテンツが多い」ってのがある。
はまり始めたのが日本でK-Popが盛り上がってる頃だったから(本当に最後の方だったけど)、日本にいても目に触れる機会が多くあったし、ファンもたくさんいるから情報を得やすい。
おもしろいブログを見つけて、それを読むことでアイドルについての愛着もわいた(同時にファンにも)。

また、お国柄の違い(?)で、向こうのファンはアイドルと近い。
イベントや番組など、アイドルの行くところにはプロ並のカメラを持ったファンがいる。
そして、その日のうちにそのデータが流れてくる。
TwitterやTumblrなど、それが広がる道具も今の時代そろっているので、本当に気軽に触れることができる。
あとは、ググればわかると思うけど、ネット上にはすごいアーカイブがそろってる。

言葉の問題については、日本はK-Popの大顧客国だから、人気のグループだったらファンも多くて親切なファンが現地の情報など日本語に訳して提供してくれる。
それに、インターネットの世界はひとつなので(We Are One!)、英語ができればだいたいなんとかなる。英語圏にそのグループのファンがいればラッキー。中国語やスペイン語、ベトナム語などは全くわかんないから・・・。

そうやって、興味を持ったらどんどん知識を深められるのがはまった理由の1つだと思う。
しかも、ほとんど無料で。
もっと近づきたい、もっと欲しいって思うようになったらお金が発生するけど、興味本位の段階でタダでいろいろ体験できるのはありがたい。

Indie Rockだと狭い世界だし、今はバンド自身が発信することも増えてコンテンツも増えてきているけど、番組出演やインタビュー動画だってまだまだ少ないし、動いているところを見たかったらやっぱり飛ぶしかない。
しかも、航空機代が高い。

海外のアイドルの場合、ディズニーチャンネルやニコロデオンのアイドルだったら、レギュラー番組があるからコンテンツ量はまあまああると思う。
One Directionの場合はファンだけじゃなくパパラッチも狙っているし、ゴシップ記事は溢れているけど、彼らが寮を脱走して逃げ回ったり、寝起きを襲撃されたり、山で合宿して料理したり、子どもの世話したり、犬を育てたりってのは見たくても見られないもんな。


はまる理由の2つ目には、自分がアイドルとどう関わってきたかっていうのが影響していると思う。
過去にアイドルに1度もはまったことがない人が急にアイドルにはまるのはめずらしい。
私のまわりは1Dに夢中な子ばかりだけど、アイドル免疫のない子はいまだに拒否反応を示している。(その子がOasis好きだからってだけでリアムをすすめているけど手ごたえない)

私の場合、振り返ってみるとそれなりにいろいろと通ってきている。
ジャニーズ、Jロック(ビジュアル系含む)、Jヒップホップときて洋楽へ入った。
世間ではBSBと’Nsyncどっち派?って言ってたころは、アーロン・カーターだった。
初めてのアイドルのライブ(コンサート?)もアーロン・カーター。
(今の彼については何の思い入れもないけど、当時の写真や動画を見るとやっぱりかわいかったと思う)
あと、Blue。解散のときは結構ショックだった。

洋楽のアイドルやPOPSに慣れ親しんでいれば、K-Popも入りやすいと思う。
K-Pop自体が欧米志向だから。
でもアメリカって思い描く時に、韓国の場合は黒人になるところが日本とちょっと違う。
B-Boyってのが、日本だとファッションになってるとこあるけど、韓国では元のままの意味で使われていて、今も人気がある。
アイドルのメンバーで「B-Boy出身です」って言ってる人もいて、最初聞いた時は笑っちゃったけど、本気だった。

そして、Hip Hopの人気も高いので、K-Popのアイドルグループにはラップ担当メンバーが必ずといって良いほどいる。(男女問わずなのもびっくり)
これも最初は不思議だった。
中にはそれラップじゃなくてもいいじゃない?ってのもあるから。
でも、ラッパーは外せないらしい。

アイドルも、アメリカのHip Hop、R&Bを聴いている人が多い。
カニエ、Will i. Amなどはよく名前が挙がって、Jay-ZやSnoop(この前ライブしてた)とかメジャーどころは基本ですって感じ。
ボーカルではクリス・ブラウンの人気が高い(歌って踊るから?)。
あと、若い子だとジャスティン・ビーバーも。
最近のものでは、A$AP RockyやFrank Oceanなどの名前も挙がるので、まめにチェックしてるんだなと感心する。
作詞だけでなく作曲、プロデュースをしているメンバーもいるので、特にそういう人たちはちゃんと聴いてるんだなって思う。
曲つくってるからすごいってのは思わないようにしているけど、アイドルでも同時代で世界的に注目されている音楽をチェックしてるんだってのはちょっと意外で好感もてる。
それに、そういうので挙げるアーティストで、趣味によってより分けたりできるし。
同じHip Hopでもギャングスタ・ラップばかりあげてると、ちょっと違うなあとか思ったり。

また、そういう風にアメリカの音楽を聴いているのがあたりまえだから、TV番組でもアイドルが特技披露で歌ったり踊ったりする曲に最近のヒット曲が使われる。
過去にLMFAOが大流行してたし。
他にダンスする時にかかる率が高いのは、ビヨンセ「Single Lady」、ジャスティン・ティンバーレイク「Sexy Back」。
Skrillexがかかったときはびっくりした(実際、曲にダブステップを取り入れているアイドル・グループもいる)。
オーディション番組でアデルを歌うのは欧米ではよくあることだけど、韓国でもやってた。
あと、密着番組で合宿の休憩中にブルーノ・マーズの「The Lazy Song」をギター引きながら鼻歌してたのはおぉ!って思った。(選曲ばっちり)

実際にソウルに行って、お店とかで流れている曲に注目してみると、PitBullやDavid Guettaなどのチャラいものが人気なよう。あとNicki Minajも流れてたな。
新譜だと、Daft Punkがプッシュされてた。
地下鉄のホームのテレビ画面、お店のBGM、CD Shopなど。

元々Rockは人気がないってのは聞いていたけど、本当にほとんど出会わなかった。
繁華街の外れの方のお店からThe Verveが聴こえてきたくらい?
気になったので、2つのCD ShopでどんなRockが扱われているかを見てきた。
出たばかりのVampire Weekendをはじめ、Jake BuggやJames BlakeなどがPushされてた。
The Strokesは根強い支持があるよう。
あと、Beggars関連のバンドの取扱が充実していた。(VWも国内盤で出てた)

教保文庫 HOT tracksにあったRockの視聴機

弘大(ホンデ)のRock専門店の陳列棚

私が韓国行くにあたって、1番気になってたのはOne Directionはどのくらい人気があるのかってこと。
国内のアイドルが充実していたら、海外のものまで手を伸ばそうとは思わないのかなって。(それは日本にも通じるもの)
番組内でOne Directionの曲がかかることはあったけど、同じアイドルなのにK-Popのアイドルからは、One Directionのことを意識するそぶりが全然感じられなかった。
One Directionは踊らないし、歌もべつに普通だけど、世界で1番人気のアイドルグループなのに。
そして、実際に韓国で見たOne Directionがこれ。

ぶれぶれ

けっこうショックだった。
全くないならまだその方がいいのに、棚の下に置かれているなんて。
しかもまわり見てもここにしかなかったから、在庫の補充用でもなく、これですべてなんだろう。
日本みたいに、タワレコやHMVみたいな大きなレコード屋さんがないそうなので、本屋も見てみたんだけど、まさかこれほど無視されているとはびっくり。
アメリカ行った時は、薬局にグッズ売ってたし、スーパーの誕生日パーティコーナー(カードやポスターなどのグッズ)にOne Directionコーナーもあったのに。
(ちなみに、One Directionの妹分Little Mixは視聴機展開だった。彼女たちは踊るから?)

一方で、K-Popだけを扱うお店があって、日本人を中心としたお客さんがCDなどのグッズを求めにやってきていた。
という私もその中の1人。はじめてK-Popグッズ買った。(おまけにポスターやカードももらえた)
ライブはまだ1回しか行ったことないけど、その1回目で人生初のハイタッチを経験した。
流れ作業のベルトコンベアなので、本当に一瞬の出来事。
だから、メンバー全員なんて覚えていられないんだけど、その一瞬に感覚が研ぎ澄まされて強烈な記憶となって残っている。
しかもこの1番応援しているグループが、現在裁判中で活動休止というのもK-Popらしい体験?
早く活動できるようになるといいね。


はまる理由の3つ目に挙げるのが、趣味の問題。
アイドル・グループを見るときに、何に基準を置きますか?っていう。
曲や見た目の良し悪しは、ソロのアイドルでも通じる基準だから、グループで重要なのはメンバー同士のからみだと私は思う。
One Directionにも、Larry Stylinson(ハリーとルイ)みたいに代表的なカップル(?)がいる。
このカップル(組)のことを外国ではotpということも、K-Popにはまってから知った。
otp : One True Pairing. Meaning the your favorite combination of characters in a fandom.)
わかりやすい例えだからそういったけど、別に腐を推奨しているんじゃないです。

これまた文化の違いで、日本のアイドルとは少し違った仲の良さの楽しみ方ができる。
K-Popアイドル特有のグループ内役割として、最年少のメンバーはどんなキャラクターだったとしても、「末っ子」に認定される。
年功序列がしっかりしている文化だから、メンバー内でも年上の人には敬称つき(といってもお兄さん、お姉さんっていう親しみあるもの)で呼ぶし、ため口は使えない。
その分、年上は下の子の面倒を見たり、おごってあげたりする。
アイドルは基本的に共同生活を送っていて1日中一緒にいるので、実際の兄弟より兄弟のような関係になってる。

Indie Rockの場合、本当の兄弟や親戚が同じバンドを組んでるってのはよくある。(ってかありすぎる。みんな友だちいないんだと思っちゃう)
だから、そういう兄弟萌えする人には気持ちがわかると思う。
でも、それが実際の兄弟じゃなくて、つくられたグループ内の兄弟関係っていう設定が入っているところもややこしくて、おもしろい。
実生活では弟なのに、グループの最年長だからリーダーとしてまとめないといけないとか。

また上下関係とは別に、同じ年の生まれだったら友だちっていう考え方もある。
これは、○○line(91年生まれだったら、91line)と呼ばれて、他の年の人よりも深い関係になることが多い。(ため口同士だし)
私は、最近この同じ年萌えにはまっている。
まったくタイプの違う人同士が同じ年ってだけでこんなにも強い結びつきになるのかっていう!
見えない制約の魔法みたいな萌え設定が、予め提示されているのがK-Popだと思った。

というわけで、私がK-popにはまったのは、
1、興味を持ったらそれを広げやすい。
2、洋楽(POPS, R&B, Hip Hop)を聴いている。
3、グループ内にわかりやすい萌え設定が用意されている。
という結果だとまとめる。

実際ソウルに行ってみて、向こうの若者の活気というか、すごいなと思ったのは夜遊びしてる人が多いってこと。
週末だったのもあると思うけど、歩きにくいってほど街に人があふれていた。
駅前のストリートミュージシャンには3重にもなるくらい人が取り囲んでて、ご飯食べて戻って来てもその人数は減ってなかった。
人気クラブには行列ができてるし。
土曜日の午後に行った河沿いの広場?公園?には花見シーズンくらいの人がいた。
しかもそれもやっぱり若い人が多い。

明洞(ミョンドン)の化粧品店街。男性アイドルが広告塔

アイドルに関しては、街中にK-Popがあふれているのかと思ったけど、そんなでもなかった。
日本でも、街でそれくらいアイドルの顔を目にするし、曲を耳にしたりもすると思った。
あと、いわゆるK-Popファッションの人もほとんどいなかった。
カラフルな頭の人は1日に1人見るくらい。
みんなコンサバ。こんなとこも大陸的なのかなって思ったり。
男の子のファッションはシャツにカーディガンを肩からかけて、短パンにローファーっていう。でも、体格がいいので似合ってる。

あと、日本と違うなって思ったのは、アイドルのファンはやっぱり中高生がメインってこと。
本屋さんでアイドル雑誌にきゃあきゃあ言ってたのは中学生くらいの子たちだったし、芸能事務所の出待ちしてるのも中学生~高校生くらいだった。
日本からファンが行って浮くのは当たり前だ。
欧米ではアジア人は若く見られるからそんなに年齢では気にしないのに(逆にお酒が買えないっていう心配の方)。
でも、そうやって何歳になってもアイドルのファンできる日本っていいなって思った。

おまけで、去年1番好きだったK-Popの曲。シングル曲じゃないのでファン編集のビデオ。
アイドルではラップうまいって言われてる方だけど、実際に街で耳にしたK-HipHopと比べたら普通なんだなと思った。
でも、それをラッパーでじゃなくて、アイドルでやろうとしたところが好き。
つくってる曲についても、このグループをつくったボス(社長ではなくプロデューサー的存在)がもっと攻めろと言ったのに対し、メインストリームを意識してるって言ってたのが好感もてる。(リーダーの彼は20歳で作詞・作曲・プロデュースを務める)
だから、早く活動再開できるようになって欲しいんだよ!



こっちは(今のところ)今年1番好きなパフォーマンス。
私のモットー(?)「Pop, Youth, Love」が全部入っているから。(Loveはちょっと無理があるかもしれないけど)
より過激に過激にってそっちばっかりに目が向きがちなK-Popだけど、こういう普通の格好でもいいのに。
かわいい子たちがかわいいことしてればそれだけで画になるもん。



最後に、私にK-Popを教えてくれたその子も、1Dにはまった。
ちなみにルイのファン。(日本でのルイ人気すごい)

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