Me and Earl and the Dying Girl / ぼくとアールと彼女のさよなら~2010年代の『天才マックスの世界』的青春学園映画


主人公のグレッグ(Thomas Mann)は学校の中で特に仲のいいグループをつくらずに、みんなと満遍なくつるんで適当に居場所をつくって過ごしていた。だけど、そんな彼も生き辛い場所があって、それがカフェテリア(グループごとに座る席が決まるから)。だから、彼はランチタイムは先生の研究室に潜り込む。そこにいるのは、彼が“同僚”と呼ぶアール(RJ Cyler)。2人は一緒に映画のリメイクを自主制作する仲。そして、最終学年の初め、母親の友人(Molly Shannon)の娘レイチェル(Olivia Cooke)が白血病ということがわかり、彼女と友だちになることを母親に強要される。初めは仕方なく行っていたけど、レイチェルに会いに行くことはグレッグの日課になる。

同名のベストセラーYA小説の映画化。原作者が脚本も担当している。原作を読んでいないので比べられないが、テロップが各章のような感じでもあり、坦々としながらもテンポがよかった。監督の作風なのか、アングルが凝っていたり、自主制作映画のDIYな感じとか、人形を使って表現したりとか、ウェス・アンダーソン監督のように男の子受けする印象だった。また、主人公の父親(Nick Offerman)やタトゥの入った教師とか、生徒たちもゴスとかエセ白人ラッパーとかキャラクターも大げさすぎないんだけど、おもしろがってる描写でメジャーというよりはインディなにおい。

がん患者の女の子が登場するYA小説の映画化ということで『The Fault in Our Stars』(『きっと、星のせいじゃない。』 2014)と比べられることもあるようだけど、全然違った。あっちはがん患者の女の子が主人公だけど、こっちはがん患者の女の子と関わる男の子が主人公。しかも、本人の語りで「この後ロマンチックな雰囲気にはならない」と言われるように、『The Fault in Our Stars』は初恋の物語だけど、『Me and Earl and the Dying Girl』は自分探しの物語といえる。

ここでもやっぱり、グループでタグ付けされた学校の様子がわかる。グレッグがタグ付けしているんだけど、まわりをよく観察しているようで、タグでしか見ていなくて、その中の一人ひとりに向き合ってはいなかったグレッグは傲慢だ。アールのことも同僚として考えているし、レイチェルのことも“Dying Girl” 死ぬかもしれない病気の女の子としてタグ付けして見てる。だから自分がタグ付けされないために、特定のグループに所属しないでいる。そうやって自分に属性をつけることを拒んでいるからなのか、自分の進路も決められないでいた。彼は映画制作もしてるし、映画の趣味もマニアックだから、他人が彼をタグ付けしたら映画オタクとか、アート系といったところか。

監督の作風からも、この主人公からも、『Rushmore』(『天才マックスの世界』 1998)に近い雰囲気を感じる。マックスは恋をきっかけに成長する機会を得たけど、恋する以前のグレッグは、無理やり設定されたものだけど、1人の人と深く関わる機会を得て学んでいく。話は単純なComing-of-age物語で坦々としているけど、細かいこだわりとかくすっと笑えるような仕掛とかで、後々『Rushmore』のようなカルト作品として記憶に残りそう。



オフィシャルInstagramもかわいい @meandearl

トーマス・マンは、青春映画でずっと良い働きをしているね。薄い顔で印象に残り辛いのが逆にいいのか?(いまだに細長くひょろっとしているし)RJ・サイラーはおしゃれでかわいい。マッチョじゃない黒人なのがいまどき。オリヴィア・クックはジョーイ・キングのお姉さん?ってくらい顔が似ていた。だから、坊主頭も似合う。

あと、Masam Holdenはすぐ気付いたけど、Matt Bennettは気付かなかった!



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