The Pretty One / プリティ・ワン たったひとつの恋とウソ。 ~インディ自分探し物語

The Pretty One

おとなしくて引っ込み思案な主人公 Laurel (Zoe Kazan)が、自分とは正反対な性格の双子 Audrey と共に事故に遭い、ひとり生き残り、しかも Audrey と間違われてしまったことから、そのまま嘘をついて彼女として生活をするという設定は、まるで少女漫画のよう。ジャケットも黄と紫(日本版はピンク)でポップでガーリーな雰囲気になっているので、観る前は軽いロマコメ調なのかと想像していた。ただ、主演が『ルビー・スパークス』のゾーイ・カザンと『Paper Heart』や『ドリンキング・バディーズ』のジェイク・ジョンソン(Jake Johnson)なので、実際はとてもインディな仕上がりだった(最初のゾーイ・カザンが双子を演じている部分は、リンジー・ローハンが双子をやっていた時代の技術?ってくらいの雑な感じで、そこだけ気になったけど)。

就職する年齢になっても家にいて、亡くなったお母さんの服を着て、お父さんの世話をしながら彼の仕事を手伝うという生活を変えて、本当の自分を探すことを始めた20代(半ばくらい?)の女の子の物語。自分とは違う活発な Audrey に憧れて、実際になってみて、やっぱり自分は違うということを思い知らされる。そして、自分が殺してしまった本当の自分の存在に気付く。 Laurel は“自分らしく生きる”の意味がわからなかったんじゃなくて、“自分”ってのがわかってなかったから自分らしく生きられていなかった。ちょっと無理やりにでも自分を外から見る機会を持って、改めて自分を理解していく。

また、別人のふりをして新たな環境に身を置くって、この話の場合だとそれが設定として置かれているけど、普通の人でも、例えば新学期とか、新生活みたいなときには新しい環境になって、少し自分を偽ってみたりすることができると思った。そうやって考えてみると、変わりたいって思ったときに、自分じゃない誰かになろうと無理するよりも、環境を変える方が自然なのかと思った。環境が変わって、新しい人と出会い、その人間関係によって自分が変わっていく。だから Laurel は家を出た時点で、もうそれまでの自分とは少し変わっていたんだろう。

The Pretty One

ゾーイ・カザンが着ている服は、 Laurel が持ってるヴィンテージなお母さんのドレスをはじめ、“物語のセットのような”家を専門にした不動産会社で働く Audrey の仕事着、 Audrey になった Laurel が着る西海岸にぴったりなカジュアルなガーリースタイルもかわいかった。

The Pretty One

ジェイク・ジョンソンは体臭がきつい設定なのが似合ってた。自宅で近所の子ども向けに貸本をやっていたり、裏の家のプールに勝手に入ったり、架空の夫婦ごっこをしてくれたり、すごくいい役柄。
この人は『Paper Heart』(シャーリン・イー)、『彼女はパートタイムトラベラー』(オーブリー・プラザ)、『ドリンキング・バディーズ』(オリヴィア・ワイルド)と今回も、風変わりな、浮いてる、型にはまらない女の子の側で、同じ目線で物を見てくれる男性を演じてて好印象。となると、『New Girl / ダサかわ女子と三銃士』も観なきゃいけないかな…。ああでも、今回は Laurel がゾーイ・カザンの見た目だからいい感じのお話だけど、ジェイク・ジョンソンの役はきっとズーイー・デシャネルみたいな子が好きなはずで、だからダサかわ女子がいいわけで、“かわ”がないとだめなんだろうなって思った。ダサが必要なのは自分がどの部類にいるかを知っていて自分とはつり合わないと思った人(この話の場合 Audrey)には強く出られないから。だから『New Girl』には手が伸びないんだけど、どうなんだろ?

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La vie d'Adèle / Blue Is the Warmest Color / アデル、ブルーは熱い色 ~15歳のアデルが大人になるまで

Blue Is the Warmest Color

フランス映画と相性が良くないからいい感想が持てなかったのか。 Adèle が恋に落ちたのが女性だったっていうのがこれまでと大きく違うところで、それ以外は行き詰った若い女の子が冒険する相手に年上の人を選び、傷つき、大人になるというよくある青春物語だったと思う。長いし、年の経過が Emma の髪色だけだったからわかりにくいし、特別お気に入りに入りはならなかった。それに Emma はまじで嫌なやつ。芸術家は一般人と階級が違うんだってきどってて、そのプライドのために Adèle の内面の美しさや愛に気付いていない。

それでも Léa Seydoux は美しかったし、 Adèle Exarchopoulos は若く、肉感的でころころかわいい。この2人だから画になる。Adèle が初めて Emma を見る場面の青が印象的な、一目惚れ感もよかった。あと、学校の男子は皆 Adèle のことが好きって感じだったけど、特に気にかけてくれていた1人がゲイの街に Adèle を連れてったってのがわかって、見方が変わった。女友だちは仲良くしてるのに下げることしか言わないし、顔からして悪い役なんだなってのが出ててよかった。親密になる子は地味だったけど、美人だったし。配役がすごくいい。


あと、 Adèle の家のパスタがおいしそうすぎる。これまで観た映画の中では『ガンモ』のバスタブの中で食べてたのが食べたいパスタ1位だったけど、これも候補に挙がってきた。


本当においしそうに食べる。いっぱい食べる子はかわいいの法則。

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1999年はティーン映画にとって黄金期だった (1999年に公開された最高のティーン映画15作)

『Beyond Clueless』を通して、過去のティーン映画を振り返ったときに、1997年から2002年くらいは豊作だったよなって思いだした。

Beyond Clueless ~1995年–2004年のティーン映画をまとめたドキュメンタリー
"Twilight": My Generation Edition! (『トワイライト』のリキャスト妄想。合成技術がひどい…)

そこで調べてたら、ティーン映画の黄金期は1999年だというのを見つけたので一部訳してみる。

Why 1999 Was the Golden Year of Teen Movies
http://flavorwire.com/462931/from-cruel-intentions-to-shes-all-that-why-1999-was-the-golden-year-of-teen-movies

○ まず第一に、アメリカ合衆国の歴史上最も多くの10代がいた。

○ 親のお金と自分のお金の両方を使うことで、10代は以前にもまして自由に使えるお金を持っていた。Teenage Research Unlimited によると、1999年の平均的な10代は週に99ドル(親からの28ドルと自分の71ドル)使った。

○ デュポンのような会社はイケてる10代をマーケティング顧問として雇った。若い俳優不足があったことで、テレビ局は10代向けパイロット番組(関心のためだがより重要なのはドルを宣伝するための)を配役するために必死になって急ぎ、代理人はキャスティング・コールが開かれるたびにしょっちゅう通わなければいけなかった。

○ 新しい10代の複雑さは、映画の趣味がばらばらになった傾向へ反映された。

○ 90年代の映画を何が別のものにしているかといえば、そのメッセージは「人気者になることは悪」という感じではなくむしろ、「自分自身でいることは善良な人たちの中であなたを人気者にする」といった感じだった。
80年代の映画は目立つことについてだったけど、90年代の映画は自分自身に誠実でありながら適合することについてだ。
彼らは自分自身の道を見つけることよりも適合(アバクロンビーの株の急増を覚えている?)することを心配した。

○ これら黄金期の映画がとても巧みにその時代の10代の気分をとらえる理由の大部分は、脚本家や監督自身も若かった(20代後半や30代前半で、ベビーブーマーとベビー・ブーム・エコーのちょうど間の世代)ことだ。

これを読んで、ティーン映画を観るとその時代の雰囲気が伝わってくるようなところが好きだと思い出した。そして、90年代後半から00年代前半の10代の雰囲気も思い出した。今の子たちの雰囲気はまた変化している。なので時代ごとにどんな雰囲気だったってのも振り返ってみたいと思った。

そして、これは別のウェブサイトから「1999年に公開された最高のティーン映画15作」。もちろん全部観ている!と言いたいところだけど『バーシティ・ブルース』は観てないかも……ドーソン……。他のもまた見直してみたいと思った。

15 Bomb-Dot-Com Teen Movies That Turned 15 in 2014
http://www.popsugar.com/entertainment/Best-Teen-Movies-1999-34128794#photo-34128794

10 Things I Hate About You

1. 10 Things I Hate About You / ヒース・レジャーの恋のからさわぎ [DVD]
現代版シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』で、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットは転校生。この場合、じゃじゃ馬(ラリサ・オレイニク演じる彼女の妹と比べて反抗的な10代)はジュリア・スタイルズ。ヒース・レジャーは不良のパトリック・ヴェローナとしてロマンチックなセレナーデで忘れられない演技をする。

American Pie

2. American Pie / アメリカン・パイ [DVD]
すべてここから始まる!最初の『アメリカン・パイ』が公開されたとき、アリソン・ハニガンは25歳だったが、ジェイソン・ビッグスはまだ21歳だった。性的好奇心旺盛な高校生と彼の友だちについての映画は、間違いなくその年で最も下品なティーン・コメディだった。ちょっとスティフラーのママ(ジェニファー・クーリッジ)に聞いてみて。

She's All That

3. She's All That / シーズ・オール・ザット [DVD]
あなたが『シーズ・オール・ザット』を覚えていないなら、あなたは事実上1999年に生きていたはずがない。人気者のザック・サイラー(フレディ・プリンゼ・Jr.)は悪友(ポール・ウォーカー)と学校の最も人気のない女の子(レイチェル・リー・クック)をプロム・クィーンに変えることができると賭る。キャストの見所はマシュー・リラード、ジョディ・リン・オキーフ、アナ・パキンを含み、特にアッシャーとリル・キム。

Election

4. Election / ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ! [DVD]
リース・ウィザースプーンはアレクサンダー・ペインのすばらしいコメディ作品でませた高校生として完璧。生徒会長に立候補して、彼女のキャラクターは学校で受動攻撃的戦いを教師(マシュー・ブロデリック)に対して行う。最高の映画!

Never Been Kissed

5. Never Been Kissed / 25年目のキス [DVD]
『25年目のキス』でドリュー・バリモアは高校に潜入し、すべての間違った行動を取る記者を演じる。彼女がそれを乗り切る唯一の方法は、自然体でイケている兄弟(デヴィッド・アークエット演じる)の助けを借りること。マイケル・ヴァルタンはすごく魅力的で、モリー・シャノンとジョン・C・ライリーはすばらしく、リーリー・ソビエスキーは究極のオタク。

Cruel Intentions

6. Cruel Intentions / クルーエル・インテンションズ [Blu-ray]
『クルーエル・インテンションズ』はあなたが1999年に観るはずでなかった最高のティーン映画。どんな高校生がセバスチャン(ライアン・フィリップ)とキャサリン(サラ・ミシェル・ゲラー)のように行動したか?そんな高校生はいない。母親が彼女のTVでそんな愚かなことを決して許さなかったので、友だちの家で見るためにビデオ・テープをこっそり持ち込まなければいけなかったのは誰?

Varsity Blues

7. Varsity Blues / バーシティ・ブルース [DVD]
小さなテキサスの町を舞台とするこのドラマに、故ポール・ウォーカーはジェームズ・ヴァン・ダー・ビークと一緒に出演した。これは『Friday Night Lights』がちょうど物事だった前の『Friday Night Lights』。準備はいいか?「AH DON'T WANT YER LAHFE.」(南部訛りで「I don't want your life. 」あなたの人生は欲しくない)

Drive Me Crazy

8. Drive Me Crazy / ニコルに夢中
『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のエイドリアン・グレニアーとメリッサ・ジョーン・ハートは、ロブ・トーマス作のコメディでお互いの気を変にさせる。はい、『ヴェロニカ・マーズ』の生みの親。元は『Next to You』と呼ばれた映画は、ブリトニー・スピアーズの曲「Drive Me Crazy」の後で改題され、ハートとグレニアーは映画の宣伝のためにミュージック・ビデオに出演した。

Dick

9. Dick / キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ! [DVD]
これまでにウォーターゲート事件の裏側の本当の話とは何だろうって思ったことある?ミシェル・ウィリアムズとキルスティン・ダンストは、史上最も悪名高い密告者のうちのひとり、ディープ・スロートとして『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』に主演する。これを見直してみたら、ウィル・フェレル、ジム・ブレアー、アナ・ガステヤーに気付くだろう、そして、まあ待って……ライアン・レイノルズ。

Idle Hands

10. Idle Hands / アイドル・ハンズ コレクターズ・エディション [DVD]
デヴォン・サワの手が、殺人に取り付かれたようになるホラー・コメディ『アイドル・ハンズ』を誰が忘れられる?ただ10代のセス・グリーンとジェシカ・アルバを見るためだけに戻ってそれを観て。ああ、あとサワへの何十年にわたる恋心を育てるために。

Drop Dead Gorgeous

11. Drop Dead Gorgeous / わたしが美しくなった100の秘密 [DVD]
デニス・リチャーズとキルスティン・ダンストは地域の美人コンテストで競争する高校生としてこのダーク・コメディに主演する。他の見慣れた顔はアカデミー賞ノミネート者エイミー・アダムス(彼女の最初の映画出演!)とアリソン・ジャニー、ブリタニー・マーフィ、エレン・バーキン、カースティ・アレイを含む。

Jawbreaker

12. Jawbreaker / ハード・キャンディ [DVD]
『ヘザース/ベロニカの熱い日』みたいに暗いけど、お菓子屋さんみたいにカラフルな『ハード・キャンディ』は犯罪的に過小評価だ。ローズ・マッゴーワンは飴玉を詰まらせて仲間のひとりを偶然に殺害するグループのリーダーとして主演する。あなたは、その噛み砕けない飴を同じようには決して見ないだろう。

Teaching Mrs. Tingle

13. Teaching Mrs. Tingle / 鬼教師ミセス・ティングル [DVD]
冷酷な教師(オスカー女優のヘレン・ミレン、大騒ぎするほどのことではない)を彼女の家に閉じ込めて拘束しようと、3人の10代たち(ケイティ・ホームズ、バリー・ワトソン、マリサ・コクラン)は無理をする。マット・カムデン(『7th Heaven』)とジョーイ・ポッター(『ドーソンズ・クリーク』)が関係するのを見るだけでも価値がある。とてもメタ。

But I'm a Cheerleader

14. But I'm a Cheerleader / Go!Go!チアーズ [DVD]
すばらしい風刺作品を探している?両親が彼女がレズビアンだと思い始め、“ストレート・キャンプ”へ行かされる学生(ナターシャ・リオン)についての話『Go!Go!チアーズ』を試してみて。そこで彼女はル・ポール、クレア・デュヴァル、メラニー・リンスキー、エディー・シブリアン演じる他のはみ出し者たちと会う。おまけにミシェル・ウィリアムズ!

Detroit Rock City

15. Detroit Rock City / デトロイト・ロック・シティ [Blu-ray]
1978年のキッスのコンサートへ入り込もうとする4人の10代たちについてのこのコメディは十分に認められていない。有名なキャストたちはエドワード・ファーロング、ナターシャ・リオン、メラニー・リンスキーと、『ヴェロニカ・マーズ』のルーク・ハルデマンで知られるサム・ハンティントンを含む。

Spike Island ~The Stone Rosesの野外コンサートへ行こう

Spike Island

The Stone Rosesの伝説の野外コンサートSpike Islandへ行こうとする男の子たちの物語。同じように、KISSのライブを観に行こうとする男の子たちの話『デトロイト・ロック・シティ』が思い浮かぶ。ライブを観るための障害がいくつもあるって点では似ているけど、やはりイギリス映画だからか、湿っぽさが違う。レンガ造りの町並を背景に、青春時代のほろ苦さと青さがつまった作品。主人公のTits(Elliott Tittensor)は、お父さんが入院していてお母さんはそれに付きっきりで、兄は出て行ったきり。The Stone Rosesを目標にそれだけしか生きがいがなかったTitsがこの物語で成長し、青春時代に終わりを告げる。コンサートの様子の再現度もすごかったけど、親友のDodge(Nico Mirallegro)と、Zippy(Jordan Murphy)、Little Gaz(Adam Long)らとやっているバンドが一発撮りでデモを録音する場面の臨場感がよかった。

主人公のエリオット・ティッテンソーは、UK版ドラマ『Shameless』のCarl役をやっていた。そのドラマは見てないけど、悪がきっぽさもあるけど、イケメンなルックスがバンドのボーカル兼主人公にぴったり。バンドの音楽面を担い、グループでいうとクールな知能担当な役どころを演じたニコ・ミラレグロは、ドラマ『My Mad Fat Diary』に出ていた。寡黙なheartthrobという役柄が似合う人。秘かに思いを寄せていたSally(Emilia Clarke)とTitsの関係の中でいじらしいのがかわいい。同じく『My Mad Fat Diary』に出ていたジョーダン・マーフィもまた、同じような三枚目のムードメーカーを演じていた。2人とも90年代顔なのかな?バンドメンバーではないけど、同じグループで、家庭に問題のあるPenfoldを演じたOliver Healdも90年代ファッションが似合っていてかわいかった。

Spike Island

Spike Island

Spike Island

実際のThe Stone Rosesを見ると再現度がよくわかる。

The Stone Roses

The Stone Roses

Beyond Clueless ~1995年–2004年のティーン映画をまとめたドキュメンタリー

Beyond Clueless

この映画を知ったときは、これは自分のための映画だと思った。もうずっとティーン映画が好きで観ていて、それ以外はほとんどしてないくらい。だから、すごく楽しめた。自分が頭の中だけで妄想していたマッシュアップ映像が実際に目の前にある!学校の廊下、プール、ダンスフロアなどティーン映画でよく観る場面を集めてひとつの映画にしている。ドキュメンタリーっていうのか分類がよくわからないけど、これひとつでティーン映画1本観た気分になる作り。ティーン映画って分類的には軽い、コメディやラブロマンスが多いけど、Fairuza Balkのナレーションも相まってこの作品の雰囲気は少し重く暗い。10代が誰もにとって華やかなものではない、けれど完全にふたをしてしまいたいわけではない、ほろ苦さや甘酸っぱさが感じられる作品だった。

監督のCharlie Lyne(1991年生まれ)はKickstarterでこのプロジェクトを行った。彼は、ティーン映画をまとめるときに、『クルーレス』が公開された1995年から、『ミーン・ガールズ』が公開された2004年までという区切りをつけた。そして、なぜそう設定したのかをブログで解説しているものがあるので紹介する。

Ten reasons why the teen movies of 1995–2004 were like, totally the best, ever.
http://www.ultraculture.co.uk/13364-ten-reasons-why-1995-2004-was-the-best-decade-for-teen-movies-like-ever.htm

Clueless Mean Girls

とにかくたくさんあった
後にも先にも、他のどの時代よりも『クルーレス』と『ミーン・ガールズ』の間の10年で最も多くのティーン映画が制作され、(今日のティーン映画とは異なり)それらの少ない一握りだけがHMVの安売り棚にすぐに追いやられた。残りは重要作となり、多くの場合、歴史的価値のある成功レベル。それは現在では信じ難いが、1997年には20世紀フォックスが『スクリーム2』と接戦になるのを避けて『タイタニック』の公開日を変えたくらい、ティーン映画のジャンルは影響力があった。

But I'm a Cheerleader

それらは差別しなかった
ジョン・ヒューズの映画がゲイを公表している登場人物を扱った記憶がある?それか黒人の俳優が主役をやっているのは?僕はどっちもない。一方、90年代と00年代のティーン映画では、黒人の話(『O』)、白人の話(『Fカップの憂うつ』)、ゲイの話(『Go!Go!チアーズ』)、ストレートの話(『アメリカン・パイ』)、トランスジェンダーの話(『ボーイズ・ドント・クライ』)、労働者階級の話(『クレイジー/ビューティフル』)、上流階級の話(『クルーエル・インテンションズ』)、笑える話(『クルーレス』)、泣ける話(『ヴァージン・スーサイズ』)、笑えて泣ける話(『恋のから騒ぎ』)、さらには話がない話(『ゾルタン★星人』)もある。

Down to You

あなたのお気に入りの俳優たちみんなが出発したところ
90年代のティーン映画シーンのほとんどの大スターにとって、名声は一時的なものだった(その証拠が必要ならヴァニティ・フェア誌の2000年特集号の表紙を見てみて)が、『セイヴド!』、『ルールズ・オブ・アトラクション』、『初恋なんかぶっとばせ!』のような映画の登場人物一覧はそれでももっと良いものへ移った俳優だらけだ。ジェイク・ジレンホールは『バブル・ボーイ』なしで今彼のいるところにいると正直に言える?ライアン・レイノルズが『ナショナル・ランプーンのVan Wilder』に出ないで『リミット』の主演を手に入れたか?ちょっと今年のオスカー候補者を見てよ、『ベッカムに恋して』、『バスケットボール・ダイアリーズ』、『プリティ・プリンセス』の卒業生を見つけるだろう。そして『ハロウィンH20』でさえも。

kids harmony korine

いくつかは10代によって作られた
映画『アニマル・ハウス』が1978年に考えられたとき作者たちは30代後半だった。『ポーキーズ』は42歳によって書かれた。ティーン映画が実際のティーンエイジャーによって初めて書かれたのは90年代だけ。思春期の実体験に『サーティーン』を基づかせた14歳のニッキー・リードと、たった18歳で受賞作『キッズ』を書いたハーモニー・コリン。タイプライターに辛抱強く座って90ページを打ち出さなくても、ティーンは行為に加わることができた。19歳のバム・マージェラは自作の劇とスタントビデオ『CKY』でMTV幹部の注目を集めた後、『ジャッカス』に場所を確保した。

Scream

それらはすべてポストモダンとクソ
1996年に公開された後、ティーン映画のジャンルで『スクリーム』が持っていた影響は誇張し難い。作者のケヴィン・ウィリアムソンは一夜にしてハリウッドの王者になり、この10年のホラー映画の最高興行収入10作品のうち4作品(あと、言うまでもなく『ドーソンズ・クリーク』)を書き続けた。突如として、皮肉はティーン映画の重要な鍵となり、そのジャンルはそれ自身のポストモダニティにかろうじてついていくことができた。『インシデント』が出て処女だけを狙った連続殺人鬼を紹介するかしないうちに、『スクリーム』でジェイミー・ケネディはホラー映画の最初の法律「決してセックスすることができない」を言った。

Dawson's Creek

セックスに夢中であると同時に恐れていた
『ドーソンズ・クリーク』と言えば、ジェームズ・ヴァン・ダー・ビークの名の元になった、神経質なその人(ドーソン)よりもセックスに対する10代の態度のよりよい抽出物となる架空の人物はいた?文字通り、番組の6シーズンを通して彼が考えるすべてはやることだが、絶えず何らかの厳格なバプテスト派の牧師みたいに結局それに対して説教をすることになるほど、セックスという概念そのものは彼をとても怖がらせる。他では、『アイドル・ハンズ』と『ジンジャー・スナップス』は同じように恐ろしいホラーの例えを思春期の初期に与える。もし90年代後半のティーンエイジャーが“喪失”を考えるなら、デヴォン・サワの切断された手がジェシカ・アルバのあそこをひっかく光景は、それを延期するのに十分すぎるほどだった。

she's all that

美しさの概念について本当に混乱していた
『シーズ・オール・ザット』が公開最初の週で全米ボックスオフィスで1位になった最初の90年代ティーン映画のひとつになった後、『ピグマリオン』に多くの利益が残されていると映画会社は決めた。その結果は内面の美しさの価値について何か言いたいという多量の映画だった(ティーン映画に身体的魅力の90パーセンタイル以外誰も今までもこれからも現れない)が、それでもなお外側の美しさで知られている人たちを出演させた。『初恋なんかぶっとばせ!』から道徳上価値のあるものを取れるもんなら取ってみろ。

Freaky Friday

入れ替わりのジャンルを自分のものにした
すべてのティーン映画のサブジャンルで最強なのは90年代後半から2000年代前半に代表される。『Wish Upon A Star』(TV映画)、『Seventeen Again』(TV映画、ザック・エフロンのでない)、『13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ』、『ホット・チック』、『It’s a Boy/Girl Thing』、『フォーチュン・クッキー』、『アメリカン・ピーチパイ 』、全てはベルイマン映画で場違いに感じないだろう精神・性的テーマ、複雑なキャラクターの力、アイデンティティの本質についての広範な熟慮を誇った。それらはさらにベルイマン映画にはそぐわないと感じなくもないリンジー・ローハンを起用した。

american pie

ほとんど下品なコメディだった(いくつかはまあ大丈夫)
多くのティーン映画のポスターが白い背景で赤い文字、露出した若者がみだらにカメラを見つめているものばかりなのには理由がある。『アメリカン・パイ』に続いて、会社はその段違いの成功を真似したくてしかたがなかった。そしてそれは、クソたくさんの下品なコメディを意味した。それらの90%が『クリスティーナの好きなコト』くらいひどくても、『ユーロトリップ』くらい完璧なのものが常に少しあった。

American Psycho 2

悪いものでさえすばらしかった
1995年から2004年のティーン映画時代に製作された200以上のティーン映画は、失敗作も成功作と同じくらいおもしろかったというのは少しも驚かない。『アメリカン・サイコ2』が20世紀の最もすばらしい文化的偉業作と並んでランクするのに意義を唱える人がいるかもしれない(全くそうである『キャリー2』と違って)が、それが小児性愛的な犯罪学教授としてのウィリアム・シャトナーの啓示的演技のためだけだとしても、極めて重要な歴史的記録であることを阻止できない。

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Charlie(左から3人目)とスタッフとサントラを担当したSummer Camp

チャーリーには、お礼に愛読書である『ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて』を贈った。日本語が読めなくても、これだけのことをした人ならわかってくれると思う。

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて
長谷川 町蔵 山崎 まどか
国書刊行会
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(2015/4/13追記)
チャーリーから本が無事届いたよとメールが来た。
I can't believe how many films from Beyond Clueless are in there! It's practically a companion book.

「『Beyond Clueless』で扱った映画がどれだけこの本に載ってたか!これはほとんど仲間も同然の本だ」といった感想も書いてあった。
やっぱり彼ならわかってくれたようでうれしい。

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