ヤングアダルト(YA)小説の映画化 『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロイン比較(4) 難病とジョン・グリーン

これまで、『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロインを比較してきた。
画像検索していると、こういうファンがつくった画像がたくさん見つかる。若者は、こういうヒロインを求めていたのだろう。



TIMEのこの記事によると、「ディストピア小説は現代の若者の不安について話しているにすぎない」という。

“Dystopian novels are merely all speaking to these anxieties of young people today,” said Donovan. “In all of these books, young adult protagonists must somehow learn to struggle through and survive in a world that has been exploited and defiled by previous generations and a world that is now ruled by dictatorial regimes that have eradicated all semblance of a democracy. What better metaphor could anyone create for the life of a teenager who knows he or she has no choice but take on a crushing amount of debt to go to college, to gain an education that will make it harder than ever to establish a career, all the while existing in a world of endless foreign wars and watched over by intrusive government bureaucracies and corporations that constantly spy on them on monitor all of their electronic communications?”
― Before The Hunger Games: How Young Adult Books First Became a Category

「これらのヤングアダルトの主人公は、前世代に搾取され汚染された世界、形だけの民主主義を根絶し独裁的な政府によって支配されている世界で、どうにかして乗り切ろうと奮闘し、生き延びることを学ばなくてはならない。キャリアを築くことがますます難しく、教育を受けるため、大学に行くために壊滅的な負債額を引き受けざるを得ないのを知っていて、その間ずっと外国では戦争が続いていて、政府や企業が絶えず彼らの電子通信を監視しているような、10代の人生のために、もう少し良い例えを創作できるか?」

似たようなことが、リンダ・グラットン 『ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図 〈2025〉』の中でも語られている。

「1995年以降に生まれたZ世代。2025年頃には、世界中の企業で中心的な役割を担いはじめる世代だ。インターネット利用率の高さが際立った特徴で、テレビのリアリティ番組と24時間放送の国際ニュース番組を見て育ち、2008年に始まった世界金融危機と深刻な景気後退を子ども時代に肌で感じ、地球温暖化の脅威をよく知っている。「リ・ジェネレーション(再生の世代)」とも呼ばれるように、この世代に求められるのは、再検討し(=rethink)、刷新し(=renew)、再生する(=regenerate)こと。気候変動や資源の枯渇など、直面している課題の多くで、これまでになく目に見える行動が必要とされている。その意味で、Z世代は現実主義者・実用主義者の世代だ」

ここらへんのことは、ヒロインだけじゃなくて、coming-of-age的なことで、また別の機会にちゃんとやりたいと思ってる。

だけど、大人はそうでなかった。似たようなものが何回も続くと飽きてきて、だんだんつまらなく感じる。興行成績においても、『ハリー・ポッター』『トワイライト』『ハンガー・ゲーム』以外はそんなに爆発的に伸びなかった。

Box Office Mojoの「Young-Adult Book Adaptations」に載ってる上位55作品を2000年代以降で年ごとに見たグラフがこれ。


大きなヒット作品の後に増える傾向がわかる。
だから、『ハンガー・ゲーム』シリーズが終わった後、大きなヒット作があればそれと似たような作品が増えるということになる。
じゃあ、そのヒット作品とは?

今まで見てきて、それは『ダイバージェント』ではなく、『きっと、星のせいじゃない。』だと思う。

  1. The Hunger Games: Catching Fire
  2. The Hunger Games
  3. Harry Potter and the Deathly Hallows Part 2
  4. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1
  5. Harry Potter and the Sorcerer's Stone
  6. Harry Potter and the Half-Blood Prince
  7. The Twilight Saga: Eclipse
  8. The Twilight Saga: New Moon
  9. Harry Potter and the Deathly Hallows Part 1
  10. The Twilight Saga: Breaking Dawn Part 2
  11. Harry Potter and the Order of the Phoenix
  12. Harry Potter and the Goblet of Fire
  13. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2
  14. The Twilight Saga: Breaking Dawn Part 1
  15. Harry Potter and the Chamber of Secrets
  16. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban
  17. Twilight
  18. Divergent
  19. The Divergent Series: Insurgent
  20. The Fault in our Stars

これが、さっきの表の上位20作品なんだけど、これはアメリカ国内の興行収入のランキングで、『きっと、星のせいじゃない。』のがアメリカ以外の国での結果がいい。

国内
Divergent : $150,947,895
The Fault in our Stars : $124,872,350

国外
Divergent : $137,937,923
The Fault in our Stars : $182,294,484

全世界
Divergent : $288,885,818
The Fault in our Stars : $307,166,834

しかも制作費がこんなに違うから、結果は『きっと、星のせいじゃない。』のがもっといいことになる。
Divergent : $85 million
The Fault in our Stars : $12 million

これは、2000年代になってからの、ドラマジャンルのヤングアダルト小説の映画化の中で見ても、高い成績になる。
(2001年の『プリティ・プリンセス』は国内 $108,248,956、全世界 $165,335,153)

また、原作の売上についても、NY TimesのBest Sellers Listで、2012年12月16日~2015年8月23日の週まで見れるので、私調べで順位を出してみたところこなった。

  1. THE FAULT IN OUR STARS / さよならを待つふたりのために
  2. LOOKING FOR ALASKA / アラスカを追いかけて
  3. THE BOOK THIEF / 本泥棒
  4. PAPER TOWNS / ペーパータウン
  5. IF I STAY / ミアの選択
  6. MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN / ハヤブサが守る家
  7. THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER / ウォールフラワー
  8. DIVERGENT / ダイバージェント 異端者
  9. INSURGENT / ダイバージェント (2) 叛乱者
  10. WHERE SHE WENT

いや~、ジョン・グリーンすごいね。
ここに挙がった中で、『If I Stay』のシリーズ作『Where She Went』以外は、映画化された・される作品(『ハヤブサが守る家』はティム・バートン監督で今年公開予定。『アラスカを追いかけて』はまだ製作中)。映画化されると原作が売れるという相乗効果が結果に出ている。


『きっと、星のせいじゃない。』は、ありがちな難病ものジャンルなんだけどそれだけじゃないところが今ぽくて、成功したんじゃないかな?それまでだと、『ウォーク・トゥ・リメンバー』(2002年)や『私の中のあなた』(2009年)があって、同じ年に『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』(2014年)があるけど、どれも涙なしでは見られないというのが売りといった作品。だけど、この次の年、2015年になると、『Me and Earl and the Dying Girl』みたいにちょっとひねった作品が出てる。

そう考えると、これからは、文明崩壊後の地球や魔法使いやヴァンパイアの世界じゃない、現実社会を舞台にした青春物語で、ちょっとひねりのあるものが主流になっていくのかな?

ただ、こういう作品は、日本で劇場公開されにくい。そうなると原作の翻訳もされにくい。負の方の相乗効果。
2015年のヤングアダルト小説の映画化作品には、『The DUFF』、『Me and Earl and the Dying Girl』、『Paper Towns』がある。どれも新しい世代の作品で、『ダイバージェント』シリーズや『フィフス・ウェイブ』よりも、バラエティがあって楽しいと思う(『Paper Towns』はちょっと下がるけど)。


NY Timesの11位以下も見てみる。

11. * ELEANOR AND PARK / エレナーとパーク
12. AN ABUNDANCE OF KATHERINES 
13. * THIRTEEN REASONS WHY / 13の理由
14. ME AND EARL AND THE DYING GIRL
15. HOLLOW CITY
16. * WE WERE LIARS
17. * RED QUEEN
18. CONFESSIONS, THE PRIVATE SCHOOL MURDERS
19. THE ABSOLUTELY TRUE DIARY OF A PART-TIME INDIAN / はみだしインディアンのホントにホントの物語
20. * STEELHEART

* はimdbのページが見られるもの。

私は、ヤングアダルト小説の映画化、日本でいうところの漫画の映画化を全部悪いと思わない。アメリカでもコミック(漫画)原作の映画化は増えてるけど、この場合はスーパーヒーローとかアクションばかりで(『X-MEN』は学校が出てくるから好き)私の好みに合わないから、青春映画は歓迎側だ。青春映画からは若手俳優(若手制作者も)をたくさんチェックできる。ただ、数ばっかり増えて、似たような作品に同じような人ばかり出てるのは困る(『ダイバージェント』)。

これからは、新作映画情報とともに、原作情報を追わなければいけないのかもね。
楽しみなのは、『Stargirl / スターガール』!

ヤングアダルト(YA)小説の映画化 『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロイン比較 (3) 作品


そもそも私がカットニスが好きで、『ダイバージェント』が好きになれないというところから、他のYA小説の映画化作品もそうなのかを検証するためにこれを始めたようなところがある。
そして今回、7作品を見比べてみたので感想をまとめる。見る箇所としては、戦うヒロインとしての、目的、戦闘能力、青春、ロマンスなど。


『ハンガー・ゲーム』 カットニス・エヴァディーン(ジェニファー・ローレンス)
16歳。妹の代わりに立候補して「ハンガー・ゲーム」に出場する。弓が得意。

カットニスは、家柄や能力に特別なことはなく、貧しい地区で育った少女という出。父親の死後、ふさぎこんで頼りない母親の代わりに一家を支えていて、妹を強く思う気持ちで「ハンガー・ゲーム」に出ることになった。目的は生き残ることだけだったけど、自分の生活する地区とキャピトルとの差を目の当たりにしたことや、スノウ大統領の自分勝手な言動を受けて、反発する気持ちを募らせるようになる。そして、ゲームに勝って時の人となったカットニスは、反政府軍のシンボルとして借り出される。そのときも、カットニスは家族の安全と、ピータを守ることを交換条件に申し出ていて、彼女にとってこの戦いは世界をどうこうしようということでなく、自分が生きる範囲内での戦いなのだと思った。原作を読んでいるから脳内で補っているところもあるけど、カットニスは思春期特有の自意識過剰なヒロインタイプでなく、物語の渦中にたまたま巻き込まれてしまってもマイペースを貫くところが好感持てる。


ロマンスとしては、幼なじみのゲイルとゲームで一緒に地区代表になったピータという2人が関係する。ゲイルは年上の相棒という感じ。ピータには昔食べるものがなくて道で倒れていたときにパンを分けてもらった恩があり、また同じ恐怖体験を味わった者同士としての結びつきができていく。一見、ヒロインが三角関係になって男の登場人物の取り合いになるという構造だけど、それとちょっと違うのは、この関係を動かす権限を持っているカットニスが常に恋愛脳ではないところ。彼女にとっては生き抜くことが第一優先で、気が向いたら相手に近づくという感じ。男からしたら辛すぎる。また、カットニスにとって、ピータは自分よりも弱いから守ってあげないといけないと思ってる関係性がいい。だけど一緒にいるうちに自分にはないピータの強い部分を知っていく(私がピータ派なので思い入れが偏っているかもだけど)。

ジェニファー・ローレンスもこれまで幼い妹弟を守る姉という役柄での演技が評価されていて、またぶりっ子や優等生じゃなくて、開けっぴろげでサバサバした性格もカットニスに合っていて相乗効果がよかった。子役出身のジョシュ・ハッチャーソンの演技に文句はないし、リアム・ヘムズワースも登場場面が少ないので、そんなに気にならない。


『ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』 レナ・デュケイン(アリス・イングラート)
もうすぐ16歳。魔法使いの一族。16歳の誕生日に「光」か「闇」のどちらかに選ばれる。

レナはそこまで戦うってわけじゃない。魔法使い一族の「光」と「闇」の種族争いに巻き込まれるヒロイン。彼女を体を張って戦う代わりに、秘伝の書を読み解決を図る。そこらへんが、体力勝負じゃなくて文化系向きだと思った。本を読む子にとっては、感情移入しやすそう。しかも、魔法使いの衣装がゴスっ子なので、より文化系色を強めている。一部の子には強くはまれそうなポイントが多い。


ロマンスは、映画が男の子目線で始まることもあって、謎の転校に惹かれるというよくある構造。イーサンがけっこうガツガツ向かってくる系なので、レナは後手に回ることが多い印象。だけど、賢い女の子だから、ベタベタしすぎてなくていい。また、魔法使いらしく、ファンタジーでロマンチックな映像効果が美しい。高校生らしいイベントも多く、学園モノとしても楽しめる。

アリス・イングラートも、文化系な雰囲気が合う見た目で役に合っている。オールデン・エアエンライの恋している演技がすばらしい。いじわるなゾーイ・ドゥイッチ、三枚目のトーマス・マンもぴったり。


『ザ・ホスト 美しき侵略者』 メラニー・ストライダー/ワンダラー(ワンダ)(シアーシャ・ローナン)
21歳。エイリアンに侵略された地球で人間のまま生き残っていた。寄生されが魂が共存する。

『ザ・ホスト』がおもしろいのは、寄生したエイリアンと寄生された人間、2つの魂が共存するヒロインというところ。だからずっと心の声が聞こえる人みたいに、メラニーの声が聞こえている。思春期のホルモン過多な少女のように、脳内思考垂れ流しなのがかわいい。メラニーは生き残りの人間で反抗勢力の一員だから、戦闘力が高めで、離れ離れになってしまった弟のために必死なところもある。一方、ワンダは地球が初めてで、人間の文化に触れて感化される若い心の持ち主。初心な子が社会に出ていろんな人に触れることで、成長していくという青春モノの要素をワンダが担っている。


ロマンス部分は、1つの体に2つの魂があるので、かなり笑える状況。メラニーは弟と逃走中(16歳頃)に出会った人間のジャレドと恋愛関係にあるから、ワンダに寄生された状況でキスすることに怒るんだけど、だからといって、ワンダが好意を寄せるイアンとキスするのもいけない(体はメラニーだから)。ライバル関係もなく相手に恵まれるというかなり調子のいいロマンスだけど、この複雑さがちょっと違ったおもしろみを出している。

シアーシャ・ローナンは、『エンバー 失われた光の物語』『ラブリーボーン』とYA小説の映画化に何度も出ていて、アクションも経験者。この映画でのアクションはいまいちだったけど、2つの心をもつという複雑な役の演技には安心感があった。あと、優等生でしっかりしているイメージがあり、エイリアンの社会のかっちりした衣装が似合っていた。マックス・アイアンズとジェイク・アベルは可もなく不可もなく、シアーシャよりも大きくて強そうで頼りがいがある感じでよかった。私的には弟役のチャンドラー・カンタベリーがよかった。


『シャドウハンター』 クラリー・フレイ(リリー・コリンズ)
16歳。シャドウハンターであることがわかる。「伝説の聖杯」の鍵を握る。

クラリーは、運命で選ばれたヒロイン。特殊な力を持っていることがわかり、始めはとまどうけどだんたんとその力を使いこなしていく。戦う目的は母親を取り戻すことから始まるけど、だんたんと自分の生い立ちを知り、自立していくようになる。


ロマンスの演出が過剰で笑えた。屋上の温室で虫の光の演出でいい雰囲気になっていくところで、わかりやすく曲が盛り上がって、そしてスプリンクラー。この物語の三角関係はわかりやすくて、謎の危険な男ジェイスと親友でおたくっぽいサイモン。ジェイスがだんだんクラリーのことを好きになっていくのがときめくポイント?サイモンにやきもち焼いたりしてかわいい。

リリー・コリンズは、これまでにもこういう役やってなかった?って思うほど似合っていて、アクションにも違和感なかった。抜群のスタイルでヒロイン向きなオーラがあるけど、あの眉毛はじめ聡明そうな顔立ちなところでいいバランス。そして、ジェイミー・キャンベル・バウアーとの相性がいい。金髪で白い肌で謎めいたキャラクターという漫画みたいな設定に無理のないジェイミーがすごい。フィルモグラフィがいまいちなのはなんでだろう?そして、ロバート・シーハンもロバート・シーハンに求められているものを全部出してた感じ。それにしても、母親は『GoT』のサーセイって強すぎる。


『ヴァンパイア・アカデミー』 ローズ・ハサウェイ(ゾーイ・ドゥイッチ)
17歳。人間とヴァンパイアのハーフ。ストリゴイ族からモロイ族を守るガーディアン。

現代にヴァンパイアがいるという設定の中で、人間とヴァンパイアのハーフという生まれのローズ。温和なヴァンパイアのモロイ族を守る役目で、親友のリサと行動を共にしている。『ハリー・ポッター』×『トワイライト』という世界観でそれ以上のものがないのが残念だし、ドラマシリーズの『ティーン・ウルフ』より安っぽく見えてしまうところもやはり残念。戦うヒロイン像にしても、ロマンスにしても、すべてが中途半端でうまくかみ合ってなかった印象。ポスターはポップでかっこいいのに、中身が全然いけてなかった。


ゾーイ・ドゥイッチはかわいいし、アクションもできるんだけど、ヒロインのキャラクターが弱いので活かしきれてなかった感じ。ルーシー・フライは高級そうな見た目で合っていた。ちょっと固いところが柔らかいゾーイ・ドゥイッチとのバランスも取れてたと思う。サラ・ハイランドとサミ・ゲイルをもっと生かしてほしかった。男がいけてない中でキャメロン・モナハンがかわいかった。


『ダイバージェント』 ベアトリス・“トリス”・プライアー(シェイリーン・ウッドリー)
16歳。自分の資質を測るテストで「ダイバージェント」と診断された。

5つの資質で共同体がわかれている世界で、どの共同体に入るかは自分で選べるんだけど、その前にテストで資質を測定するという設定がおもしろい。だけどそれ以降、その資質という設定、またトリスが複数の資質を持つ「ダイバージェント」であるというのがあまり関係ない、よくあるディストピアもののように進んでいくので入り込めなかった。“無欲”だったところから“勇敢”を選ぶのも、意味があることのように思うけど、それが見ていてよくわからない。


適正が完璧に合っているわけでないから“勇敢”で苦労するトリスは、危険な香りのする教官“フォー”に次第に惹かれていくというのもよくあるロマンス。映画だと、フォーの年上の男の魅力がわかりやすいくらいに強調されている感じがして、マッチョなとこだったり、少女ファンにとってはうれしいのかもしれないけど、私は重い。しかもトリスがちょっと恋愛にはまりすぎにも見えて、戦うことだけに意識が向いてないのが印象。

恵まれた体型を持ったシェイリーン・ウッドリーにできないことではないんだけど、もっとできるでしょうと思ってしまう。マイルズ・テラーがいい息抜きとなってくれているからこの作品を見られるんだけど、出番少ないし、アンセル・エルゴートはもっと少ない。これくらいならそんなに有名じゃない若手でもよかったんじゃないかと思ってしまう。ゾーイ・クラヴィッツもいい味だしているのに出番が少ない。テオ・ジェームズは普通にYA小説の実写化に向いてそうなんだけど、他の出演者のレベルが高すぎて悪目立ちしてしまってかわいそう。


『フィフス・ウェイブ』 キャシー・サリヴァン(クロエ・グレース・モレッツ)
16歳。エイリアンの攻撃に合う地球で、離れ離れになった弟を探す。

戦うというよりは、生き延びるという方が近いかな。突然エイリアンが襲って来て、わけもわからずだんだん人が死んでいく。そんな中でキャシーは家族と離れ離れになってしまって、子どもたちが集められた施設に弟もいると思って助けに行く。理由もわからず攻撃されるので、どう戦うのがいいのかわからない中で、子どもたちが訓練され兵士になっていくのは見ているのが辛かった。


人間の姿をしていても、エイリアンに乗っ取られているかもしれなくて、誰も信じることができない中で、エヴァンに助けてもらい回復するまで住まわせてもらう。その前、エイリアンがやってくる前の普通の高校生だったころ、キャシーはアメフト部のベンに片思いしていた。エヴァンはキャシーの日記を読んでそのことを知っている。ちょっと年上でたくましくて頼りになるエヴァンにキャシーはだんだん惹かれていく。そして、弟を探しに行った施設で偶然ベンと再会すると同時にエヴァンの秘密を知り!?ってところで映画が終わった。

とにかく私は、クロエ・グレース・モレッツの仕事選びが好みじゃなくて、今回のも全然合ってない。最初の警戒しながら銃を構えている姿はさまになっているけど、明るいところ(普通の高校生部分)はすぐに終わって、ウェイブが始まってからはずっと険しい表情。明るいクロエちゃんが見たいんだよ。期待していたニック・ロビンソンもアメフト部に見えなくて、どう見ても2番手。自分より小さい子たちを率いてグループを指揮するところはかっこよかった。マイカ・モンローは、こんなできるんだってくらいかっこいい役をやってたけど、あれほとんど『ハンガー・ゲーム』のジョアンナ(ジェナ・マローン)だったよね。トニー・レヴォロリが抑えた演技でいい味だしていたから、もっと出番あればよかったのに。


まとめ
こうやって色々見てみると、YA小説の映画化において、『ハリー・ポッター』と『トワイライト』の影響を感じずにはいられない。特に、女の子が主人公ということがあって『トワイライト』は大きい。『トワイライト』は2008年に最初の作品が公開され、2012年に『ハンガー・ゲーム』が公開されたのと代わるようにシリーズが終わった。ロマンスの三角関係の構図は昔からあったのに、何か使い古されたように感じるのは『トワイライト』以降からな気がする。チーム・エドワード、チーム・ジェイコブって「あなたはどっち?」というのが盛り上がったのも懐かしい。また、ヴァンパイアや狼男というファンタジー要素を現代の物語に入れた作品も前からあったはずなのに、『トワイライト』以降だと二番煎じと言われてしまう感じ。

今回、7作品を観るのとあわせて途中までで止まっていた『トワイライト』シリーズも見てみたんだけど、他の作品と比べてもお金がかかっているからなのか、まあ観られる。狼の毛並みとかリアルすぎてやばいし、結婚式のセットもすごい豪華。また、音楽がいいってのも『トワイライト』の魅力の一つだと思う。こういうダークファンタジーって、上の作品の一部もそうだけど、ラウドなロックが使われがち(『ザ・ホスト』のImagine Dragonsはよかった)。なんだけど、『トワイライト』シリーズでは積極的にインディ系のアーティストをサントラに起用していて、ジャンルもフォークとかアコースティック系が多い。それが森深い背景と相性がよくて、ベラの心のもろさもうまく表してくれてた。

でも、ベラはやっぱり“戦う”ヒロインではない。そういう点で、このジャンルは『ハンガー・ゲーム』以降と区切るのがいいと思った。
次は、その『ハンガー・ゲーム』以降について考えてみる。

ヤングアダルト(YA)小説の映画化 『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロイン比較 (2) 原作


ヤングアダルト(YA)小説の映画化 『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロイン比較(1) 数字
1回目では、映画の数字を調べてみた。
2回目は、原作の小説について調べてみる。

まとめたのがこれ。


売上に関して、本は今も売られていて、日々数字が変わっていくなので調べようがなかった。
なので、ウェブサイトのまとめを参考にする。

The Best Selling Young Adult Books of All Time - Book Riot

このまとめを作る際に、「ライトノベル」は売れている作品もあるけど除いたって記述が興味深かった。

Young Adult Best Sellers: Single Titles


  • Harry Potter and the Philosopher's Stone - J. K. Rowling - 107 millions
  • Harry Potter and the Half-Blood Prince - J. K. Rowling - 65 millions
  • The Cather in the Rye - JD Salinger - 65 millions
  • Harry Potter and the Chamber of Secrets - J. K. Rowling - 60 millions
  • Harry Potter and the Prisoner of Azkaban - J. K. Rowling - 55 millions
  • Harry Potter and the Goblet of Fire - J. K. Rowling - 55 millions
  • Harry Potter and the Order of the Phoenix - J. K. Rowling - 55 millions
  • Harry Potter and the Deathly Hallows - J. K. Rowling - 50 millions
  • Anne of Green Gables - LM Montgomery - 50 millions
  • The Hunger Games - Suzanne Collins - 23 millions
  • The Secret Diary of Adrian Mole, Aged 13-3/4 - Sue Townsend - 20 millions
  • The Fault in Our Stars - John Green  - 18.5 millions
  • A Wrinkle in Time  - Madeleine L'Egle - 14 millions
  • The Outsiders - SE Hinton - 13 millions
  • The Giver - Lois Lowry - 10 millions

これを見ると売上が一千万冊を越える中にあるのは、『ハンガー・ゲーム』(2008年)だけ。2と3は入っていない。

ハンガー・ゲーム (Hunger Games)
The Hunger Games / ハンガー・ゲーム
The Hunger Games: Catching Fire / ハンガー・ゲーム2 上燃え広がる炎
The Hunger Games: Mockingjay / ハンガー・ゲーム3 上マネシカケスの少女

Young Adult Best Sellers: Series

  • Harry Potter - J. K. Rowling - 450 millions
  • Sweet Valley High  - Francine Pascal - 250 millions
  • The Baby-Sitters Club - Ann M Martin - 172 millions
  • Twilight - Stephenie Meyer - 120 millions
  • Fear Street - RL Stine - 80 millions
  • The Hunger Games - Suzanne Collins - 65  millions (US-only)
  • The Shadowhunter Chronicles - Cassandra Clare - 36 millions
  • The Inheritance Cycle - Christopher Paolini - 33 millions
  • Artemis Fowl - Eoin Colfer - 21 millions
  • Redwall - Brian Jacques - 20 millions
  • Divergent - Veronica Roth - 20 millions
  • His Dark Materials - Philip Pullman - 15 millions

シリーズごとで見てみると、『ハンガー・ゲーム』シリーズ(2008年~2010年)に加えて、『シャドウハンター』(2007年~)と『ダイバージェント』(2011年~2013年)も入っている。
『シャドウハンター』シリーズは、「骨の街」以外にもあってすごく多い。

ダイバージェント  異端者 (海外文学)
Divergent / ダイバージェント 異端者
The Divergent Series: Insurgent / ダイバージェント (2) 叛乱者
The Divergent Series: Allegiant / ダイバージェント (3) 忠誠者

シャドウハンター 骨の街 上 (創元推理文庫)
The Mortal Instruments: City of Bones /シャドウハンター 骨の街

Your Favorites: 100 Best-Ever Teen Novels - NPR

これは読者投票のランキング。入っていたものだけピックアップするとこんな感じ。

#2 The Hunger Games (series)
#19 Divergent (series)
#21 The Mortal Instruments (series)
#39 Vampire Academy (series)

先ほどの売上数の多かった3つに加えて、『ヴァンパイア アカデミー』(2007年~2010年)も選ばれていた。これもシリーズが6まで続いた長いもの。

ヴァンパイア アカデミー 1 (SB文庫)
Vampire Academy / ヴァンパイア アカデミー

YALSA's Teens' Top Ten | Young Adult Library Services Association

これも読者投票のランキング。入っていたものだけピックアップする。

2008
#4 Vampire Academy
#6 The Mortal Instruments: City of Bones

2009
#3 The Hunger Games

2010
#1 The Hunger Games: Catching Fire
#6 Beautiful Creatures

2011
#2 The Hunger Games: Mockingjay

2012
#1 Divergent

2013
#3 The Divergent Series: Insurgent

2014
#4 The 5th Wave

これまで登場したものに加え、『ビューティフル・クリーチャーズ』と『フィフス・ウェイブ』が入っていた。映画化されたシリーズでも、最後までそろって入っていないのがおもしろい。

ビューティフル・クリーチャーズ
Beautiful Creatures / ビューティフル・クリーチャーズ

フィフス・ウェイブ (集英社文庫)
The 5th Wave / フィフス・ウェイブ

前回の映画の売上と比べてみると、『シャドウハンター』までは人気順がだいたい原作と比例するけど、『ヴァンパイア アカデミー』や『ビューティフル・クリーチャーズ』は、原作関係のまとめで名前が挙がらなかった『ザ・ホスト』よりも売上が低かった。

ザ・ホスト 1 寄生
The Host / ザ・ホスト

原作の人気があったから、映画化になったんだろうけど、結果はそれに必ずしも結びついていないことがわかる。そして、シリーズものでも結果がいまいちだったら、それ以降映画化されなくなってしまう(『シャドウハンター』シリーズは映画とは別にドラマ化もされている)。

『ハンガー・ゲーム』の映画化(2012年公開)の後にこれらが映画化されたことを考えて、2013年公開の『ビューティフル・クリーチャーズ』、『ザ・ホスト』、『シャドウハンター』の3作品を比べてみると、『ビューティフル・クリーチャーズ』が1番新しい。また、『ヴァンパイア アカデミー』は『シャドウハンター』と同じ年の発行だけど、映画が公開されたのは1年後だった。

とりあえず、原作YA小説と映画化された作品の数字的なものについてまとめてみることが終わった。次は、実際の映画の内容と“戦うヒロイン”についてまとめてみたい。


ヤングアダルト(YA)小説の映画化 『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロイン比較 (1) 数字


「日本映画が面白くない」というのが話題になっていたのを見た。

最近目立って量産されているコミックが原作の恋愛映画
― 今の日本映画にもの申す…「レベルが本当に低い!」 英映画配給会社代表が苦言
http://www.sankei.com/premium/news/160409/prm1604090022-n1.html

客を呼べる役者を並べ、少女マンガを映画化するのが近年の日本映画の常とう手段。 ・ヒットした原作 ・イケメン俳優、美少女 これさえあれば充分。 あとは原作をどんな風に再現するかってところだけ気を付けてればいい。 でもこれは、マンガの二次利用でしかない。
― 「日本映画が面白くない」のは、観客を育てなかった当然の帰結
http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2016/04/11/171457

私が気になったのはここらへん。洋画だって小説の映画化や、リメイク、シリーズものなど増えてて、特に、日本の少女漫画にあたるであろう、YA小説の映画化がここ最近目立つようになって、その中にはおもしろくないものも増えてるよなと思った。

LAタイムズ紙が選ぶ映画化されたヤングアダルト(YA)小説25冊をもとに、日本公開の傾向と原作本について

でまとめたときにも言ったけど、日本語翻訳されるとYA小説の表紙が漫画になることが多いことからも、似たところがありそうだと思う。違うことといえば、これらの多くが文明崩壊後の世界が描かれたSF要素を持ったファンタジーだということだろう。制服を着た高校生の話ばかりもうんざりするかもしれないけど、CG世界のアクションばかりなのも、私がもともとこのジャンル強くないっていうのがあって辛い。

ならどうして“戦うヒロイン”ものが増えたの?という理由には、『ハンガー・ゲーム』のヒットがあると思う。2012年にこのシリーズの1作目が公開された。その前の2000年代にも『ハリー・ポッター』のヒットがあって、ファンタジーものが多くつくられた傾向があったけど、子ども向けや男の子が主人公の成長ものが多く、“戦うヒロイン”という軸がノリ出したのは、2010年代になってからだ(この後男の子ものをまとめるかは迷い中)。“戦うヒロイン”像が2010年代に向いていたというのもあるかもしれないが、女の子たちが戦う舞台はだいたい遠い未来か魔法や想像上の生きものと共生しているような世界。

ということで、今回は『ハンガー・ゲーム』以降の戦うヒロインを比較してみたい。比較対象は以下の作品。

ハンガー・ゲーム DVD コンプリートセット(初回生産限定)

The Hunger Games / ハンガー・ゲーム (2012)
The Hunger Games: Catching Fire / ハンガー・ゲーム2 (2013)
The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 / ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス (2014)
The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 / ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション (2015)

ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者 [DVD]

Beautiful Creatures / ビューティフルクリーチャーズ 光と闇に選ばれし者 (2013)

ザ・ホスト 美しき侵略者 [DVD]

The Host / ザ・ホスト 美しき侵略者 (2013)

シャドウハンター [DVD]

The Mortal Instruments: City of Bones / シャドウハンター (2013)

ヴァンパイア・アカデミー (字幕版)

Vampire Academy / ヴァンパイア・アカデミー(2014)

ダイバージェント(字幕版)

Divergent / ダイバージェント (2014)
Insurgent / ダイバージェントNEO (2015)
Allegiant / アリージェント part1 (2016)



The 5th Wave / フィフス・ウェイブ (2016)

まとめた結果がこの表。



ちいさいので文字でも細かく比べてみていく。

まず、アメリカ国内の興行収入。

  1. The Hunger Games: Catching Fire - $424,668,047 
  2. The Hunger Games - $408,010,692 
  3. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - $337,135,885 
  4. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - $281,723,902 
  5. Divergent - $150,947,895 
  6. The Divergent Series: Insurgent - $130,179,072 
  7. The Divergent Series: Allegiant - $63,941,161 
  8. The 5th Wave - $34,563,567 
  9. The Mortal Instruments: City of Bones - $31,165,421 
  10. The Host - $26,627,201 
  11. Beautiful Creatures - $19,452,138 
  12. Vampire Academy - $7,791,979 

上位を『ハンガー・ゲーム』シリーズが独占している。そして、『ダイバージェント』シリーズ。それから、『フィフス・ウェイブ』、『シャドウハンター』。配給会社がLionsgate、Lionsgate / Summit、Sony / Columbia、Sony / Screen Gemsと似ているところが上にいる。

この中で、

  • The Hunger Games: Catching Fire
  • The Hunger Games
  • The Hunger Games: Mockingjay - Part 1
  • The Hunger Games: Mockingjay - Part 2
  • Divergent
  • The Divergent Series: Insurgent

は公開週で1位を記録していて、『アリージェント part1』は2位。『フィフス・ウェイブ』は6位だった。

最大劇場数を見ても、『ハンガー・ゲーム』シリーズと『ダイバージェント』シリーズが上位であることには変わりがない。


  1. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - 4,175
  2. The Hunger Games: Catching Fire - 4,163
  3. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - 4,151
  4. The Hunger Games - 4,137
  5. Divergent - 3,936
  6. The Divergent Series: Insurgent - 3,875
  7. The Divergent Series: Allegiant - 3,740
  8. The Host - 3,202
  9. The Mortal Instruments: City of Bones - 3,118
  10. Beautiful Creatures - 2,950
  11. The 5th Wave - 2,908
  12. Vampire Academy - 2,676

『フィフス・ウェイブ』は下から2つめの数なのに、結構頑張ってるということがわかる。あと、『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は劇場数は1番多いのに、興行収入は1番低い結果に終わってしまった。

だからか、上映期間も他に比べて短くなっている。
  1. The Hunger Games - 168 days / 24 weeks
  2. The Hunger Games: Catching Fire - 133 days / 19 weeks
  3. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - 119 days / 17 weeks
  4. Divergent - 112 days / 16 weeks
  5. The Divergent Series: Insurgent - 112 days / 16 weeks
  6. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - 98 days / 14 weeks
  7. The 5th Wave - 80 days / 11.4 weeks
  8. The Host - 63 days / 9 weeks
  9. Vampire Academy - 63 days / 9 weeks
  10. Beautiful Creatures - 57 days / 8.1 weeks
  11. The Mortal Instruments: City of Bones - 47 days / 6.7 weeks
  12. The Divergent Series: Allegiant - 31 days / 4.4 weeks
『フィフス・ウェイブ』は上映期間が長い分、興行成績を伸ばしているんだな。逆に『シャドウハンター』はすごく短い期間で頑張ったみたい。
※『アリージェント part1』と『フィフス・ウェイブ』はまだ公開中。

それでは、全世界での興行収入はどうだろう?
  1. The Hunger Games: Catching Fire - $865,011,746 
  2. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - $755,356,711 
  3. The Hunger Games - $694,394,724 
  4. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - $653,428,261 
  5. The Divergent Series: Insurgent - $297,276,329 
  6. Divergent - $288,885,818 
  7. The Divergent Series: Allegiant - $148,155,723 
  8. The 5th Wave - $107,345,728 
  9. The Mortal Instruments: City of Bones - $90,565,421 
  10. The Host - $63,327,201 
  11. Beautiful Creatures - $60,052,138 
  12. Vampire Academy - $15,391,979 
『ハンガー・ゲーム』シリーズと『ダイバージェント』シリーズで順位が入れ替わってるくらいで大きな変化はない。

公開された国の数を調べてみると、
  1. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - 87
  2. The Divergent Series: Insurgent - 67
  3. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - 61
  4. The 5th Wave - 59
  5. The Hunger Games: Catching Fire - 53
  6. Divergent - 53
  7. The Hunger Games - 52
  8. The Divergent Series: Allegiant - 50
  9. The Mortal Instruments: City of Bones - 48
  10. Beautiful Creatures - 47
  11. The Host - 46
  12. Vampire Academy - 30
『ハンガー・ゲーム』の1作目がすごく下に行く。『ダイバージェント』シリーズでは、国の数順で興行成績がでているけど、『ハンガー・ゲーム』シリーズはそうじゃないところがおもしろい。そして『フィフス・ウェイブ』は上映期間だけじゃなくて、上映国も多かった。

そして、製作費を比べてみると、
  1. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - $160 million
  2. The Hunger Games: Catching Fire - $130 million
  3. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - $125 million
  4. The Divergent Series: Insurgent - $110 million
  5. The Divergent Series: Allegiant - $110 million
  6. Divergent - $85 million
  7. The Hunger Games - $78 million
  8. The Mortal Instruments: City of Bones - $60 million
  9. Beautiful Creatures - $60 million
  10. The Host - $40 million
  11. The 5th Wave - $38 million
  12. Vampire Academy - $30 million
シリーズものの1作目は製作費が最も低いということがわかる。『ハンガー・ゲーム』シリーズなんて2倍以上かけている。そして『フィフス・ウェイブ』が意外と製作費をかけていないことがわかった。

単純に全世界での興行収入から製作費を引いてみた。

  1. The Hunger Games: Catching Fire - $735,011,746 
  2. The Hunger Games: Mockingjay - Part 1 - $630,356,711 
  3. The Hunger Games - $616,394,724 
  4. The Hunger Games: Mockingjay - Part 2 - $493,428,261 
  5. Divergent - $203,885,818 
  6. The Divergent Series: Insurgent - $187,276,329 
  7. The 5th Wave - $69,345,728 
  8. The Divergent Series: Allegiant - $38,155,723 
  9. The Mortal Instruments: City of Bones - $30,565,421 
  10. The Host - $23,327,201 
  11. Beautiful Creatures - $52,138 
  12. Vampire Academy - -$14,608,021

『ヴァンパイア・アカデミー』だけ赤になってしまった。『ビューティフルクリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』も厳しいところ。『ダイバージェント』シリーズは回を追うごとに差が減っているので、次やばそう。

数字で比べてみると、『ハンガー・ゲーム』以降に作られた“戦うヒロイン”もので、『ハンガー・ゲーム』を越えられるものはないとわかる。そして、『ハンガー・ゲーム』シリーズが終わりに向かうときに『ダイバージェント』シリーズを始めて、次の手を(Lionsgateが)どうにかしようとしたのかなと思った。だけど、それはうまくいっていない。

次は、原作の数字を見てみる。原作の人気と映画化の人気はどんな影響があるのかないのか。

数字は、Wikipediaとwww.boxofficemojo.comを参考にした。

Insurgent / ダイバージェントNEO ~わたしが「ダイバージェント・シリーズ」を好きになれない理由

“ダイバーシティ”という言葉が好きなので、期待してみるけど、やっぱり「ダイバージェント・シリーズ」を好きになれない。だから、嫌な感想ばっかりになるけど、思ったことをまとめてみる。

好きになれない理由1:“フォー”役のテオ・ジェームズ



主人公の“トリス”を演じるシャイリーン・ウッドリー(Shailene Woodley)は、ちょっと彼女の魅力(反抗期の少女)が出てなくてもったいないなってところはあるけど、文句のない働きをしている。脇役も、アンセル・エルゴート(Ansel Elgort)、マイルズ・テラー(Miles Teller)、ゾーイ・クラヴィッツ(Zoë Kravitz)と若手のなかで豪華な布陣となっている。ただ、彼ら以上に登場時間の長い役“フォー”を演じるテオ・ジェームズ(Theo James)が残念すぎる。たんなるティーン向けディストピアものならそこまで気にならなかったかもしれない。だけど、この「ダイバージェント・シリーズ」が、対「ハンガー・ゲーム・シリーズ」としてつくられたとしたら、テオ・ジェームズの分でだいぶ負けていると思う。「ハンガー・ゲーム・シリーズ」でいうなら、リアム・ヘムズワースがその穴だったけど、彼の演じたゲイルはほとんど登場しないので、そんなに気にならない。ジェニファー・ローレンスとジョシュ・ハッチャーソンがお互いこれ以上ないくらいの適役を得て、最高の演技を披露しているのに比べたら、ベストだといえないシャイリーン・ウッドリーだけでは敵うはずがない。しかも、脇の役者たちがせっかくうまいのに、ゲイルくらいの登場時間しかなくて、それももったいない。マイルズ・テラーなんて最高の働きをしているのに、出番が少なすぎて全体のなかで浮いてしまっている。

じゃあ、誰が“フォー”をやればよかったの?って考えてみたんだけど、ミステリアスだけどいざというときに頼りになってかっこいいヒーローみたいな役には、最近の若い人では好みの人がいなくて(というかもともとこういうタイプは好みじゃないんだけど)、トム・ハーディみたいな人が理想なんだと思った。見た目でいったら、テオ・ジェームズもそうなんだろうけどね。何考えてるんだかわからないってのは、出てたんだけど、何も考えてない風にも見えるし、シャイリーンを守れるような人間の大きさみたいなのが感じられないんだよね。しかも、アンセル・エルゴートとマイルズ・テラーがすでにそれをやってしまっているっていうのも酷いよね。

好きになれない理由2:“トリス”が意味不明



1作目の映画を見て“トリス”が何をしたいのかよくわからなかったから、原作を読み始めたんだけど、“トリス”がエモ過ぎて最後まで読めなかった。5つの分類のどれにも属さない資質だという設定があまりいかされていない気がして。『ダイバージェントNEO』の最後で、異端者こそがこの世界を救う鍵だみたいになって、ようやく意味が出てきたから、もしかしたらシリーズ最後になるまでいかされないのかも?

それにしても、だったら長いよ。その間のみどころがロマンスとCGだけだっていうの?突然2人がいい雰囲気になって“トリス”が服を全部脱ぐのも話の筋に意味ないと思うし。たんにシャイリーンが脱ぎたがりなだけだと思ってしまう……そんな際どいことしなくても、『ビューティフル・クリーチャーズ』はファンタジックに少女漫画のような世界を描いてキュンとさせてたから、できると思う。

あと、絶対ショートカットにしないほうがよかった。『きっと、星のせいじゃない。』に勝てるはずがないのに、わざと寄せてきてるの?アンセル・エルゴートも出ているのに、紛らわしい。

まとめ:もったいない



展開が速すぎてつっこみどころが多いって点で、『メイズ・ランナー』と比較できるかもしれないけど、あっちはブロマンスという強みがある。「ダイバージェント・シリーズ」のロマンスはこれといって新しいところはないように思う。そのなかで何を強みにしたかったんだろう?というのがわかりにくいから、このYA小説映画化時代のなかで埋もれてしまう。

シャイリーン・ウッドリーとすでに共演歴のあるアンセル・エルゴートとマイルズ・テラーをキャスティングし、さらに、2作目でショートカットになるのがあらかじめ決まってたとして、過去にやった印象的なキャラクターがあるのにシャイリーン・ウッドリーをキャスティングしたんなら、この製作陣は、観客を混乱させることをわざとやっている?なんかそれっぽいもの集めればいいと思ってる?

お金と時間の無駄遣いだよ。その間にみんなもっといい役できたかもしれない。アンセル・エルゴートはここで少し冷徹な要素を出してきて、甘い恋人役だけじゃない感じが見えたけど、この分量だけではもったいない。マイルズ・テラーも、持ち味のコミカルさを生かしきれてない。もっと出番が多ければ……。ゾーイ・クラヴィッツなんて、『ダイバージェントNEO』ではほとんどその他大勢の一人くらいの出番。シャイリーン・ウッドリーにしても、このタイミングでシリーズものにかかりっきりになるのがもったいないと思う。

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