Closet Monster / さよなら、ぼくのモンスター ~親に閉じ込められる子ども


カナダのニューファンドランド・ラブラドール州が舞台。オスカー(Connor Jessup)は、特殊メイクの技術者になりたくて、NYにある学校へ行くことを目標にしている。親友のジェマ(Sofia Banzhaf)にメイクをして写真を撮って作品集をつくっている。バイト先のホームセンターの同僚ワイルダー(Aliocha Schneider)に好意を抱き、妄想しようとするけど、過去のトラウマのせいでできない。

幼い頃、オスカーは言い争う両親から逃げるように自室に戻るとモルモット(というより見た目がほとんどねずみで、ねずみが苦手な私は見るのが辛かった)の声が聞こえるようになった。このモルモット(Isabella Rossellini)が最後に「10年も生きない」ってネタばらしすることで、母親が家を出て行くときに置いていったものを父親がいつまでも管理してそのままにしようとしたことがわかった。つまり、それは息子をそのまま自分の管理下に置いておきたいってことだと思った。タイトルから想像してクローゼットからカミングアウトする話かと思ったら、それよりも家族の問題のが大きいと感じた。

『クローゼット・モンスター』というタイトルはクローゼット状態のことと、子どもが寝るときに怖がるモンスターのことも含まれているのだろう。小さいオスカー(Jack Fulton)が寝る前にお父さんとする儀式があった。楽しい夢を1つ話すたびに風船をふくらませて、風船が大きくなったら、それをオスカーのおでこに当てて離す。すると、楽しい夢がオスカーの頭の中に入っていくというおまじない。最初はとてもかわいいなと思ったけど、結末を見た後だとそれはある種の催眠で、オスカーは知らず知らずのうちに親に閉じ込められて苦しんでいたのかもと思った。


オスカーはワイルダーが好きだけどうまくいかないことに加えて、NYに行きたいけど不合格をもらったことで酷く落ち込み自暴自棄になる。自分探しと自立という思春期的問題に立ちむかうオスカーを苦しめていたトラウマは、小さい頃、いじめられてたゲイの男の子の暴行事件現場を目撃してしまったことだった。そのときに初めてゲイという言葉を父親の反応とともに知った。オスカーはとっくに母親のことも父親のことも嫌いだって自分の人生から離してケリをつけていたけど、本当はそんなふうに簡単に割り切れるものじゃなかったのかも。ツリーハウスとモルモットを隠れ家、自分の心の拠り所にしていたけど、10代でそこまで強くならなきゃいけないのは辛い。


コナー・ジェサップの大作りな顔だけど、どこか内向的で繊細さを感じさせるところがよかった。すでに短編の監督・脚本をしたりしていて、2015年の『Boy』が気になる。


ワイルダーが出てきたときに、グザヴィエ・ドラン監督作品に出ていそうって思ったら、『マイ・マザー』『胸騒ぎの恋人』のニールス・シュナイダーの弟(アリオシャ・シュナイダー)だって。世間狭い。


Stephen Dunn監督は1989年生まれでグザヴィエ・ドランと同じ年。ゲイをカミングアウトしている。似たものを感じないわけにはいかない。


手乗りジャック・フルトンかわいすぎる。

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