White Girl / ホワイト・ガール ~白人の女の子であることの特権


白人の女の子2人がルームシェアする家に引っ越してきて、学校の仲間?と歓迎パーティしてハッパすっていい気分になって、向かいの道端にたむろしている地元の若者たち(プエルトリコ系)になんか持ってない?って話しかけたけど断られて……みたいな始まりで、最初はドラマ『Girls』みたいな雰囲気だった。主人公のリア(Morgan Saylor)は、プラチナブロンドの髪がふわふわしていて、露出高めな服装も相まってパッと見軽そう。だけど男の手が彼女の太ももに伸びてきたら、さっとかわすような女の子。母親から送られてきた小包を鬱陶しそうにしていたり、電話にも適当に応答していたりで、実家を出ることに意味があったっぽい。大学生で、夏休みの間、おしゃれな雑誌社でインターンをしている。

だんだん物語は悪いほうへと落ちていく。アパートの近所の若者たちのうちの1人、ブルー(Brian 'Sene' Marc)と親しくなって、彼のドラッグディーラーとしての仕事を助けようとする。そこで、インターン先の上司(Justin Bartha)から誘われたチャイナ・タウンでのパーティに彼らを誘う。初めは「俺たちのシマじゃねえ」って断っていたブルーだったけど、結局行って、結果、結構もうかって、それで味をしめて、もっと稼いだろう!って大量に仕入れた。しかし、そこでおとり捜査に引っかかって警察につかまってしまう。しかもブルーはこれが3回目だから厳しい罰が下るだろうって落ち込んで。そこで、リアは良い弁護士(Chris Noth)を雇ってブルーを助け出すことを考え、その資金のためにブルーのドラッグを使ってお金を稼ごうとする。

主人公は生き残るんだけど、ものすごく苦々しい話。私はこういう若い女の子が痛い体験をして成長するってのを見るのが辛いので、それだけで嫌な気分になってしまったから、納得したくて監督Elizabeth Woodのインタビューを少し読んだところ、これは監督自身の体験を元にした物語なんだそう。学校行って、パーティしてって日々を送っていたワイルドな人。そんな彼女が、この体験を経て、自分が映画監督になって1作目は絶対この物語にするって思っていたそうだ。



Telling our stories makes us feel powerful.
Flirting with disaster – Elizabeth Wood on her explosive film debut | the guardian

それでも、なんでこんな辛いことを?って思ったことの答えは、この上の言葉にあるんだろう。普通、辛くて嫌な体験は、なるべく隠して忘れようとするものだと思うけど、それを言葉にする、作品にする、とかして表にすることで自分自身や、同じような体験をした人を強くすることができるんだ。その強さが、それ以外の場面での強さにもつながっていくんじゃないかと感じた。

あと、インタビューで女性監督としてよかったところは、女優のヌードやセックスの場面を演出するにあたって同性として相談がしやすいって言っていたのがなるほどと思った。モーガン・セイラーは実は数学好きのまじめな子らしいけど、この映画ではめちゃくちゃ脱いでて、ただ、脱ぐにあたって、それが本当に必要かどうかをじっくり話し合ったと言っていた。確かにそうやって振り返ってみると、リアという女の子を表現するために必要だったから脱いでたってことが理解できる。無駄に脱いでる感じはしなかった。映像もきれいでプラチナブロンドの透け感とか、夏の太陽のまぶしさとか、明るさ暗さ色合いがInstagramのフィルターっぽくて画としてきれいだった。

この映画は、最初にリアを見て「プラチナブロンドの髪がふわふわしていて、露出高めな服装も相まってパッと見軽そう」って思うような、人種や見た目による差別があるって言っているのは予想がつくところだけど、反対にそれが特権でもあるっていうことも言っているのが興味深い。リアは若さを謳歌する10代の白人の女の子。そのブランドで失うものあるけど、得られるものもある。最後に学校に戻っていく場面で終わるのが、急に現実に引き戻された感じで悲しかった。リアはこの経験を乗り越えていける余地がある。学校、仕事、実家。逃げたくなったら逃げられる(そうじゃないこともあるだろうけど)。だけど、ブルーにとっては、あそこでの生活が人生のすべてだった。逃げる場所なんてなかった。だから、リアと出会って、こんな出会いは一生に一度あるかないかだって思ったんだろう。夢を見てロマンチックにもなるだろう。有色人種の男の子、白人の女の子、白人の男。そういう格差があるという視点で見ると、“若い女の子が痛い体験をして成長する”ってだけの話じゃないことがわかる。


リアのルームメイトのIndia Menuezが薄くて赤毛でかわいかった。彼女の存在感で『Girls』っぽさを強く感じたのかも。

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