Tarzan / ターザン ~今こそ観るべき!『ブラックパンサー』でも言ってた「ひとつの家族」について考える

by - 3/22/2018


今回、上海ディズニーランドに行く前に予習(あるいみ復習?)しようということで『ターザン』を観た。ディズニー映画の「第二次黄金期」や「ディズニー・ルネッサンス」と言われる1990年代の作品群で育ってきたので『ターザン』も既に観たことがある。けど好きな作品か?というとそんなに……。だから思い入れもなくて、久しぶりすぎたというのもあって、新鮮な気持ちで観ることができた。そしたらすごくいい話だった!ディズニー・ソング大好き人間だから基準甘いのかもだけど「Strangers Like Me」聴きながら大号泣。見終わってYouTubeで曲だけ観てまた泣いて(疲れていた?)。それ以降、いつでも聴けるようにApple Musicに追加している。

『ターザン』のあらすじは、観たことない人でもなんとなく想像できるもの。ジャングルでゴリラに育てられた子が成長して人間と出会って……。この話の大きなテーマは劇中で歌われている「Two Worlds, One Family」だと思う。ゴリラと人間、ジャングルで育った人間と先進国で育った人間のように、それらを分ける世界があったとしても、大きな視点でみればひとつの家族になれるという。

1999年の世界がどんなだったか当時は考えてもいないけど、再び鑑賞して、今の世界の状況を考えると、この内容はとても今向きだと思った。人種や思想など、人を分ける基準はいくつもあるけど、そうやって分けていくことは良いことばかりじゃないって言われだしている。枠組み、ステレオタイプ、そういうのって便利だけど、それで見ていたら見られないものがある。ちょうど『平均思考は捨てなさい』(トッド・ ローズ著)を読み終えたところ。さらに最近観た『ブラックパンサー』でも、国王がこれと同じようなことを言っていた。

Now, more than ever, the illusions of division threaten our very existence. We all know the truth: more connects us than separates us. But in times of crisis the wise build bridges, while the foolish build barriers. We must find a way to look after one another, as if we were one single tribe. (imdb)

「人々はバラバラになっているより、つながっている方が強い。分裂の危機に、賢い者は橋を架けるが愚かな者は壁を築く。ひとつの家族であるように、お互いを気にかける方法を見つけなければならない」。(ざっくり訳)

そして違う世界と対峙したときに、ターザンのように好奇心を持って、「知りたい」「教えて」っていう姿勢になりたいと思った。

I wanna know, can you show me
I wanna know about these
strangers like me
Tell me more, please show me
Something's familiar about these strangers like me


初めにディズニー映画の「第二次黄金期」のひとつって紹介したけど、『ターザン』がこの時期の他の作品と違うところがあることにも新たに気づいた。それが歌。以下が「第二次黄金期」の作品で、どれもタイトルを聞いただけで代表曲を思い出せるくらい、曲が有名。

The Little Mermaid / リトル・マーメイド (1989)
Beauty and the Beast / 美女と野獣 (1991)
Aladdin / アラジン (1992)
The Lion King / ライオン・キング (1994)
Pocahontas / ポカホンタス (1995)
The Hunchback of Notre Dame / ノートルダムの鐘 (1996)
Hercules / ヘラクレス (1997)
Mulan / ムーラン (1998)
Tarzan / ターザン (1999)

※The Rescuers Down Under / ビアンカの大冒険/ゴールデン・イーグルを救え! (1990)は続編なので除いた。

これら作品の特徴にミュージカル・スタイルというのが挙げられる。登場人物がその気持ちを歌に乗せて表現する。だけど『ターザン』ではゴリラの子どもたちが歌う「Trashin' The Camp」以外の有名な曲はフィル・コリンズが歌っている。フィル・コリンズは別にターザンの声をやっていないし、ゴリラの声でもない。歌詞によって登場人物の気持ちを表現したり場面を説明したりって部分は一緒だけど、フィル・コリンズの曲はナレーター的立ち位置なので、ミュージカルが苦手って人でも受け入れやすいと思った。

それとイギリスからやってきた研究家のジェーンのキャラクターも、今とても共感をもって受け入れられそう。見た目は英国レディでちゃんとドレスを着ているけど、研究の方が大事で夢中になったら格好はそんなに気にしない。ゴリラの真似をやるのも、恥ずかしいって考えたことないくらい当たり前にしている。表情も豊かでハスキーな声がかわいい(声優はミニー・ドライヴァー)。しかも「ターザンはアナとエルサの弟だった」っていう話が出たっていうので、ジェーンとエルサのコラボも見たい。


ただ肝心の主人公のビジュアルが受け入れにくかったってのがあるけど、物語と音楽の良さのが上回るからまあそこは……。今こそ流行の実写化!と思ったら最近近いものやってたからそれは難しいかも?

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