Efterskalv / The Here After / 波紋 ~ウルリック・マンターの顔は主人公にぴったり

by - 9/20/2016


彼女を殺したことで服役していた少年John(Ulrik Munther)が、家に戻ってくるところから始まる。農場をやっている父親と弟Filip(Alexander Nordgren)との3人暮らし。そして、元の学校へ復学したら、事情を知っている生徒たちから出て行けと言われ、嫌がらせも受ける。

説明が少なくて、Johnもあまりしゃべらないから、淡々と見せられる感じで、ヨーロッパ映画らしくハッピーエンドにはならないだろうなと想像して、最後銃を持ち出したあたりから止めてくれって思ってた。最悪の事態ではなかったとしてもやっぱりハッピーな感じでは終わってくれなかった。家に帰ってきてから、弟と触れ合う以外は反抗期の子どもって感じで、実年齢よりも子どもっぽくて、まわりの人のこと考えたらJohnはそうとう嫌なやつだった。でも、それは寂しさの裏返しで、「ひとりでいたくない」という気持ちが強くて、でもそれをうまく表現できなくてどんどん悪い方へ行ってしまって。途中からはJohnがかわいそうになった。愛してほしいのに、それがうまくいかない。誰がJohnを癒せるんだろうと考えて、今このまわりにいないのが悲しかった。

元親友で事件後は敵対するKim(Oliver Heilmann)との関係を、友情以上恋愛未満のような感じで思っていたのは自分だけかと思ったら、上映後のQ&Aで似た質問をした人がいて、違ったとちょっと安心した。Johnを無条件に愛してくれるのはKimしかいないんじゃないかな?Kimとの関係がうまくいけばよかったのにと思った。シャワー室でわざわざ2人きりのときに、父親から面会に行くなと言われていたんだって伝えたってことは、本当は行きたかったってことなんだろうし、最初に威張っていた悪ガキよりもKimのがしつこくJohnを痛めつけていたのにも、単に遊びのいじめ以上の思いがあるはず。だけど、John(ウルリック・マンターの答えも)はKimのことはそういうふうに考えてなかったんだろうな。それより母性を強く求めてたから、それ以外愛のかたちは見えなかったのかな。お父さんや弟も含めて。

ウルリック・マンターが有名な歌手ということを知らなかったけど、あの顔は主人公にぴったり。Q&Aで言ってた、主人公探しに難航していた監督がTVで見て声をかけたっていうエピソードも納得。ただ、それ以上に弟がかわいすぎた。声変わり前の声、子どもらしい拗ね方、演技よりも元から持つ素質のが大きいと思うけど、あの子がぴょこぴょこしてくれてたことで、全体の暗い雰囲気が少し明るくなった。でも、話の中のJohnのことを考えると、もし弟じゃなくて兄だったらもっとうまくいったんじゃないかな?って思った。


学校要素はあんまりなかった。


Alexander Nordgren spelar Ulrik Munthers lillebror - P4 Väst
インタビュー音声あり


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