Super Dark Times ~ダークサイドに堕ちる


親友のザック(Owen Campbell)とジョシュ(Charlie Tahan)の関係がある事件をきっかけに変化していくという話。90年代のアメリカ郊外が舞台ということで、CDウォークマンで音楽を聴いていたり、ブラウン管のTVやコンピュータのモニタが懐かしい。かわいい形の受話器も出てくる。家の電話で連絡を取り合っている中で、自分専用の回線を用意してもらったんだっていうのが特別になる。

途中までは男の子たちが自転車に乗って何もない町でダラダラ遊んでいる様子で、冬バージョンの『Kings of Summer』かなって思っていたら、その事件をきっかけにサスペンス色が強くなっていった。『Kings of Summer』は、同じ目的を共有していた親友の中に女の子が入ってきて、それで2人の関係がこじれてっていう様子が主人公の動きとともにわかりやすく描かれていたけど、この『Super Dark Times』では、ザックの目線で話が進んでいく中で、ザック自身がわからないことが多くてそれでさらに不安になる。

ザックがアリソン(Elizabeth Cappuccino)との距離を縮められないのはジョシュへの思いがあるからだろうけど、ジョシュに関しての情報が少なすぎる。兄(部屋にトロフィーがたくさんあったのでたぶん優秀)が軍に行っていて、その兄のことをからかわれたことにすごく怒っていたというのと、立ち入り禁止の橋で1人手すりに乗って景色を見下ろしていたところが気になるくらい。チャーリー・ターハンの見た目が、細いフレームの地味な眼鏡と相まって神経質で繊細な子っぽくて、それが何も考えていないようなジョシュのキャラクターに怖さを与えていたと思う。


ザックのお母さん(Amy Hargreaves)どこかで観たことあると思ったら、『13 Reasons Why』のお母さんだった。


廊下でのときめきシーンのBGMのWireがよかった。




デンマークの製品版ジャケットが急にテイスト変わっていておもしろい。狙っていることはわかるけど、雰囲気重視のポスター版デザインの方が好み。そして、『スタンド・バイ・ミー』×『ドニー・ダーコ』って宣伝文句なのも気になる。

Plac zabaw / プレイグラウンド ~退屈に飽きちゃった


ポーランドの6年生(12歳)の女の子と男の子2人の朝の様子が順番に映し出されていく。そこで、それぞれのキャラクターの家庭環境を知ることができる。


ガブリシア(Michalina Swistun)
おしゃれなデザインの一軒家。キャリアウーマンっぽい母親が送り迎え。パステルカラーの子ども部屋。女性らしい容姿への興味。


シメク(Nicolas Przygoda)
犬の散歩。体が不自由な父親の介護。母親は仕事でいない。子ども部屋に自分のPC。突然キレる。花屋でライターをくすねる。


チャレク(Przemyslaw Balinski)
赤ちゃんと一緒の部屋で寝られない。兄はお小遣いくれない。母親におつかいを頼まれる。シャワーを浴びずに髪の毛を刈る。粘土の塊のようなボールを離さない。

シメクとチャレクはクラスの中でも目立つタイプの子たちで怖いものなしって感じ。それでもシメクは記録係をやっていて、ワルだけどちゃんとしているようでもある。チャレクはシメクに煙草をねだり、シメクはいつもそれに応える。シメクがガブリシアに呼び出されて来なくていいって言うのについて来るチャレク。きっとチャレクは家に帰りたくないんだと思う。シメクといれば煙草すえるし。

シメクはガブリシアのことどう思っていたんだろう。チャレクがあいつはデブのブタだっていうのを同じように繰り返していたけど、彼の本心はわからない。チャレクが動画を撮影しながら2人のところにやってきてからの方が、シメクの言葉も過激になっていて、シメクにとってチャレクを通した世界のが重要というか、そういう価値観を吸収しようとしているように感じた。チャレクは退屈で寂しくて、どうやったら自分をハイにできるかっていうモチベーションで行動しているっぽい。ガブリシアへの攻撃にしても、男の子2人が本気を出せばもっとできるだろうに、そこまでいかずに済んだのは、そこに興味がいかなかったからなのか。撮った動画を見た後の物足りない感。

その後2人は新しいゲームを見にモールへ行くけど、お目当てのゲーム屋さんが閉まっていた。別の店も今改装中。また退屈がやってくる。2人がモールに来たところで、イギリスで子どもが子どもを殺した事件のことを思い出した。そういえば、あの子たちもこれくらいの年齢だったな。こうやって、退屈してモールをうろうろしていたのかなって考えていたら、その事件のように物語が進んでいった。本を読んで内容を知っていたから、その後は答え合わせのよう。線路までやって来たら、もう大正解。後は見守るのみ。見終わった後に、この作品が本当にその事件を元にしていたことを知った。なんでモールのところでこの事件を思い出したのかわからないけど、この映画を見る前に少年への性的虐待に関するものを続けて読んでいて、そのことに意識があったからかもしれない。この映画では虐待の場面は描かれていなかったけど、同年代の女の子をいじめているところでそこまでハイにならなかったのはなんでろうって考えていたことがこことつながったのかもしれない。

この映画では、2人の関係に主従があったようには思えないし、ただ物足りなさを感じて暇を持て余していただけのように感じた。女の子たちが恋愛や性についてで盛り上がっているのに、この2人は粘土を壁に投げてどっちの音が大きいかだったり、すっぱいグミを食べきれるかなんてことで盛り上がっている。まだ思春期にも入っていないような子どもの悪事を見させられて、考えることを強いられる作品だった。


チャレクを演じたPrzemyslaw Balinskiの手が印象に残っている。いつも粘土のボールを手でこねているチャレク。グミを食べるときやエレベーターの手すりをつかむとき、彼の手の動きに子どもっぽさを感じた。あの動きは演技じゃなく自然なものだと思う。彼の存在感が子どもっぽさを増大させていて、それによってより残酷さが際立ったのかなと思った。

「彼女はパンク」 作詞:甲本 ヒロト
退屈に飽きちゃった
カッコいいじゃん 常識はずれ
カッコいいじゃん 道徳やぶり
まるでモンスター 地位も名誉も
ビルも道路も ブッ壊れちゃう
本当なんだよ 壊したいんじゃない
壊れてみたいだけ 粉々に

ポーランド映画祭2017
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