Standing Up ~眼鏡だからっていじめるな
夏の子どもキャンプで毎年恒例で行われるいたずらの標的にされたハウイー(Chandler Canterbury)とグレース(Annalise Basso)が、キャンプを抜け出して冒険する物語。
舞台は80年代だけど、あんまりそんな感じはしない。
大きな眼鏡がかわいいくらい。
でも、その眼鏡が標的になった元っぽい(前に標的になった子も眼鏡だった)。
眼鏡=いじめられっこのイメージはずっとどこでも共通なのか。
驚くくらい、子どもたちが自然な演技をしていた。
異性を意識してしまう微妙な年頃だと思うけど、それを意識しながらも変な感じになっちゃってないのがいい。
旅の仲間として友情を築いていく2人。
いたずらにショックを受けて、完全に弱ってしまっているグレースを、優しく気遣うまではいかなくても助けてひっぱっていくハウイーがかわいい。
全然紳士になれていないし、お兄ちゃんでもないし、でも、ちょっと優しい。
全部頼ってしまったら、もろく崩れてしまいそうな、だけど頑張っている。
男の子が成長しているというのがわかりやすいくらいわかるし、見ていてほほえましい。
グレースは、キャリアウーマンでシングルマザーの母親から「強くなりなさい」といつも言われていたけど、電話で泣き言を言ってまだ甘えていたい気分。
それがこの冒険によって変わる。
何の見返りもなく、初対面の人に優しくされて、自分からも他の人を思いやる気持ちがわいた。
困難な出来事に対して、頭をつかったり、体当たりしたりして、乗り越えていく。
その一歩一歩が自信になる。
その自信が次の一歩を踏み出す力になる。
おとなしそうで、ひっかけやすそうってのが、眼鏡っていうアイテムが加わることで強化されて、ターゲットにされてしまった2人。
だけど、まわりに溶け込めない、はみ出し者の自覚が2人を近づけて、強力な相棒になっていく。
小さな一歩一歩が成長のチャンス。
10代前半のまだ子どもらしさの残る男の子と女の子の冒険もの+眼鏡ってことで、ウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』を思い出した。
あの完璧に計算しつくされた趣味の塊の世界に比べると、自然体でやわらかい世界観。
子どものほっぺたもやわらかそう。
しかもこの2人、眼鏡を取ると美男美女。
『ムーンライズ・キングダム』の2人はウェス・アンダーソン・マジックが消えると…ちょっと、あれ?ってなった。
まあ、子どもとしてかわいいし、個性があるのはいいことだけど。
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