The Stanford Prison Experiment / プリズン・エクスペリメント ~スタンフォード監獄実験の映画化に若手俳優大集合
『The Riot Club』がイギリス若手俳優大集合なら、こっちはアメリカの若手俳優大集合。若手俳優好きにはたまらない映画。
The Riot Club ~オックスフォード大学の秘密クラブ
だけど話は全然楽しいものじゃないのが辛い。それでも同じ原作を元にしたドイツの[es]よりはましだった。この実験の主催者の心理学者フィリップ・ジンバルドー(Billy Crudup)がだんだんこの実験に飲まれていく中、彼の恋人(Olivia Thirlby)がこれはおかしいって言うときに、「Boy」って被験者たちのことを表現するのが印象に残った。[es]だと社会人だったから、大人たちでもひどいことを本当の実験では子どもたちにしていたんだっていうのが。
この実験で、人びとが閉じられた狭い世界で上下の関係ができるとその中で空気を読んで動くというのは、監獄の話だけではなく、兵士と捕虜の関係もそうなのではといわれている。それだけじゃなくて、学校でのいじめもこれに似た条件が働くことがあるそうだ。だからといって暴力行為が許されるわけじゃないけど、やりたくなのにやってしまう、自分が標的になりたくないから黙っている、グループの中で責任を押し付けあうなどのことは、その人個人の問題だけでなくて、環境の問題でもあると考えれば、他の対応ができるのではないかと思った。
今回目立ってた順に感想を。
※見る前にまとめたもの
スタンフォード監獄実験の映画化『The Stanford Prison Experiment』
ダニエル(囚人8612): Ezra Miller / 1992年9月30日 (23歳) USA
エズラ・ミラーは予想通り、場をかき混ぜる囚人としての役どころだった。楽なことしてお金もらえるならって気軽な気持ちで参加したけど、狂気に変わっていく空気にいち早く察して反抗する。目隠ししてても心情が伝わるくらい、本当に演技がすごい。まともだったのがどんどん狂っていく様も迫真の演技で、このメンバーの中で只者でない感が1番だった。
クリストファー(看守): Michael Angarano / 1987年12月3日 (28歳) USA
実際の実験の写真の看守にそっくりだったマイケル・アンガラノは、ベテランの安定感でこの実験を狂気に変えていく、看守のリーダー的存在を演じた。「誰も止めなかったから」っていう理由で、どんどん凶暴性をエスカレートさせていく。今回、看守はサングラスをすることが義務付けられていたので、目の表情が全然見えなかったのが残念だった。
ピーター(囚人819): Tye Sheridan / 1996年11月11日 (19歳) USA
タイ・シェリダンはダニエルと組んで反抗もするんだけど、精神的に参ってしまうのも早かった囚人役。心配性で過保護な母親と「息子はタフなやつだ」という父親の間で真面目な子どもを演じている姿が印象的だった。タイは一匹狼の相棒になるような役が多いね。この映画ではまだ他の俳優たちにくらべて幼さもあって(実際若い)、かわいかった。
トム(囚人2093): Chris Sheffield / 1988年7月13日 (27歳) USA
クリス・シェフィールドはすぐにこの環境に馴染んで看守に従うおとなしい囚人役。70年代でひげとかもみあげとか長髪の若者が多い中、囚人の格好をしていても清潔でしゅっとしているのが目立った。
ジェフ(囚人1037): Johnny Simmons / 1986年11月28日 (29歳) USA
ジョニー・シモンズはふてぶてしいけど最後まで囚人を全うするつもりで看守に従っていた。他のメンバーに比べて体型が中年感出てて、老けたなと感じた。
囚人416: Thomas Mann / 1991年9月27日 (24歳) USA
トーマス・マンは途中から投入される囚人役。すでにできあがっている異様な空気に終始反抗する。出番は少ないけど、印象に残る役だった。
ジェイコブ(看守): Benedict Samuel / 1988年4月15日 (27歳) Australia
ベネディクト・サミュエルは、チャラくて攻撃的な看守。背が高くがたいもいいので、高圧的な態度とられるとすごく怖い。
カール(看守): Nicholas Braun / 1988年5月1日 (27歳) USA
ニコラス・ブラウンも攻撃的な看守。どっちかというとゆるい。気分で楽しむときもあれば、別にそうじゃないときもある。流されやすいタイプ。彼のふわふわした声がそれに合っていた。
ハビィ(囚人7258): Brett Davern / 1992年3月16日 (23歳) USA
ブルット・ダヴァーンはぽっちゃりしていておとなしい囚人。気が弱くすぐに空気に飲まれてしまう。終始怯えた表情で、見ていてかわいそうになった。
ジェリー(囚人5486): Logan Miller / 1992年2月18日 (23歳) USA
ローガン・ミラーは眼鏡を要求する囚人。70年代だからアンティークな眼鏡は今見るとおしゃれでかわいかった。
ジム(囚人4325): Jack Kilmer / 1995年6月6日 (20歳) USA
ジャック・キルマーはおとなしく看守に従う囚人。ひげもなくて体も細くて他のメンバーよりも幼く見えた(実際若い)。
ポール(囚人5704): Jesse Carere / 1993年6月6日 (22歳) Canada
ギャビン(囚人3401): Ki Hong Lee / 1986年9月30日 (29歳) Korea / USA
ジェシー・カレレは老け顔の囚人。キー・ホン・リーはビタミン剤を要求する囚人。
マーシャル(看守): Miles Heizer / 1994年5月16日 (21歳) USA
マイルズ・ハイザーは凶暴化する看守役を全うできなかった看守。攻撃的な看守にくらべて小柄で幼く見えた(実際若い)。
アンソニー(看守): Moises Arias / 1994年4月18日 (21歳) USA
ポール(看守): James Frecheville / 1991年 (23~24歳) Australia
ジョン(看守): Keir Gilchrist / 1992年9月28日 (23歳) UK / Canada
キア・ギルクライストとモイセス・アリアスは、おとなしい看守。この2人が並ぶと囚人よりもずいぶん小柄で全然威圧感がなくてかわいかった。ジェームス・フレシュビルは看守だけどあんまり記憶にない。
ヘンリー(看守): Callan McAuliffe / 1995年1月24日 (20歳) Australia
カラン・マッコーリフはポニーテールの看守。
他に、若手の研究者にMatt Bennettも出てた。
誰が誰と何で関係していた(する)かの図 |
参考:
The Boys of ‘Stanford Prison Experiment’ Take You Inside the Grueling Filming Process
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