응답하라 1997 / Reply 1997 / 応答せよ1997 ~90年代の熱狂的なアイドルファン

by - 2/09/2013


韓国のドラマを観たのは初めて。
何で観たいと思ったかは、主人公がアイドルに夢中な高校生というのと、ゲイの男の子が出てくるってこと。

日本のドラマも久しく観ていないので雰囲気自体が新鮮だった。
1番最近日本のドラマを観たのは『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』。
漫画原作なので、軽く楽しめてよかった。
キャストも当時はそうじゃなかったかもだけど、最近観たので知ってる顔ぶればかりでわかりやすかったし。

今回のドラマも、中心となる登場人物の俳優さんに現在のアイドルのメンバーがいたりして、見たことある顔もあったし、キャラクター設定もわかりやすかったから、人を覚えるのは苦労しなかった。
名前を覚えるのはまだ難しいけど。

物語は、1997年(高校3年生)から現代までを行ったり来たりしたながら進んでいくスタイル。
2012年の同窓会に集まる登場人物たちの現在が徐々に明かされていくので、気になって見るのがやめられない。
戦法にまんまとはまってしまった。

両親が親友なので、小さい頃から一緒にいた女の子(シウォン)と男の子(ユンジェ)が中心となる登場人物。
ユンジェは親が亡くなってしまい、今は歳の離れた兄と暮らしている。
シウォンの家族はこの兄弟を本当の息子のように思ってる。
ユンジェの方が先に恋心に気付き、シウォンはなかなか気付かない。
お兄ちゃんとの三角関係にもつれ、誰と結ばれたのか?って話。

全体的に、幼なじみ物の少女漫画を読んでいるような感じ。
マンガでは、こんな感じに近いかなと思ったもの。
・矢沢あい『うすべにの嵐』(1991)
・くらもちふさこ『いろはにこんぺいと』(1982~1983)

どこか昔ながらの少女漫画を思わせるところがある。
時代設定がちょっと昔ってのもあると思うし、表現がベタだったり悲劇的な設定が大げさだからかな。

でも片思いしているのは男の子の方ってのが少女漫画と違うとこ。
容姿良くて成績優秀、 スポーツもできる完璧男子が幼なじみなのに好きにならないのは、シウォンがアイドルに夢中だから。
この設定がおもしろい。
男の子のおたく的なキャラクターは主人公になりやすいけど、女の子がおたくキャラなのはあんまり見ないかなと思う。


シウォンはH.O.Tっていう本当に当時大人気だった男子アイドルグループの熱狂的ファン。
部屋にはポスターがいっぱい貼ってあって、掲載誌が出たら友だちと好きなメンバーの写真を分け合い、出演番組は全部録画(ビデオで放送中に録画ボタンを押す!)して、ライブやラジオ放送などのために遠征する。
さらに、家の前での出待ちまでしちゃう追っかけ具合。
あと、ファンフィク(アイドルを主人公にした小説。男同士のカップリング物)を書いているのもリアルでおもしろかった。

これは韓国のアイドルブームの元祖となる時代なので、今のアイドルしか知らなくても似たところがあって、なるほどと思ったりした。
応援する時はおそろいのレインコートと風船(グループによって色が決まっている)でかけ声もばっちりとか、ファンクラブのリーダ指揮の元、徹夜で並んだりとか。
他にも親友がライバルグループのファンになって絶好とか、思春期ならではの感受性豊かな話がたくさんあって共感できる。

あと、シウォンの性格は少女漫画の主人公のような乙女チックな感じではなく、がさつでたくましい。
素朴で、根がすごく良い子だから自然と好きになってしまう。
演じている女優さん(現役アイドル)の持ってるものなのか、演出なのかはわからないけど、感情表現が豊かで元気いっぱいでこんなに魅力的な主人公がいるなら、それだけでドラマ観続けたくなるよ。

泣く時は本当に「うわーん、うわーん」って泣くし、手足投げ出してバタバタしてるとことか超かわいい。
おねだりする時には、「んっ」とか「あっ」とか、小動物の鳴き声みたいな声を出すとこがマンガっぽい。

舞台が釜山なので、訛が入っているのも特徴らしい。
そこまで韓国語を聞き取れないからよくわからないけど、確かにどこか丸みがあるような感じがする。
(たしか釜山は日本でいうと、福岡って言われていたかな。釜山男子は、博多男子みたいな)

そして、主人公以外の登場人物も魅力的な人が多い。
まずは、お父さんとお母さんがよかった。
もうベタな中年夫婦。
お父さんは、ちびまるこちゃんのお父さんみたいな口うるさいけど尻にしかれてる感じで、なさけないところも含めてかわいい。
この歳になるとお父さんかわいいと思えるようになるね。
主人公みたいに高校生だったら、なんで自分の気持ちをわかってくれないの!って反抗したくなるのもわかる。
お母さんは娘を溺愛してて、楽天家で、本当いいお母さん。
気合い入れて食べ物を作りすぎてしまうのが難点。
親の話でも泣かされるところがある。

親友はきれい系でしっかりもの。
大きな目と、アヒル口でアイドルみたいにかわいい。
ソウルから転校してきた女性恐怖症(でも、アダルトビデオが大好き)の男の子と良い感じになる。
ユンジェの友だちの方は、三枚目でムードメーカーな子と、優しくて真面目な子。
この真面目な子がゲイ。
ゲイの恋物語は、海外ドラマで見てる雰囲気とはちょっと違うなと感じた。
やっぱりどこか少女漫画ちっくなのかな?
あと、冷静に見れないのは、この役をやってる子もアイドルで、そのアイドルの時の顔も知ってるから、見てるとなんか笑っちゃうのが原因。(でも彼はこの演技で高評価を得た)
でも、ゲイのBFFの関係はすごくよかった。
彼が唯一打ち明けた相手がシウォンだったので、2人は秘密を共有する友だちになる。
しかも同じアイドルのファンで、一緒にライブ観に行ったりして趣味も共有してて楽しそうだった。



あと、学校は共学だけど、 男女別学だったのが新鮮だった。
教室内では、同性だけで自由にのびのびと趣味の世界に没頭できて、廊下や共有スペースでは共学らしい、憧れの先輩へ手作りケーキを渡す光景や、昼食を男女で食べたりする光景が見られる。

時代感覚もほとんど同じで、日本でもあったものが出てくる。
たまごっち、ダンスダンスレボリューション、CDウォークマン、ポケベル→携帯電話。
インターネットは電話回線を使っていた時代。
サッカーの日韓戦では、中田とか川口とか映ってた。

韓流、韓国ドラマが日本でおばさんたちのものから若い子たちのものになっている中、このドラマは今まで手を出したことない人にも興味を持たせる点をうまくつくってるなと感心した。
それは、アイドルと90年代。
今まさに世界規模でのアイドルブーム。
アイドルに夢中になる女の子の気持ちや様子が丁寧に描かれているので、国は違っても共感できるところがたくさんある。
それに、90年代リバイバルの流れ。97年から98年まではじっくり出てくるので、細かいところで懐かしさを感じられるネタがある。

そういった設定だけじゃなく、構成や演出、俳優たちの演技などでも十分楽しめる作品だけど、まず手に取ろうってなるには、これが武器だと思う。
本国ではケーブルテレビとしては異例の高視聴率で人気を集めたこの作品は、日本でも今年1月に放送が始まった。
ケーブルテレビだけだとそこまで広まらないと思うけど、DVDくらいになったら日本でも人気出そう。

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