ПЛЕМЯ / The Tribe / ザ・トライブ ~理解できない子どもたちの世界
映画を観る前に情報をあまり入れたくない方だけど、この映画に字幕も吹き替えもないってことは知ってて観た。やっぱりわからないのって大変で辛かった。表情から嬉しいんだな、怒ってるんだなくらいはわかるけど、それが何に対してなのかを知ることはできない。その他、全ての行動の理由の説明がないまま物語が進んでいく。これまで得てきた知識と想像力を使って補っても、それが正解なのかはわからない。
そんな体験を通して思ったのは、子どもたちのことをわかったつもりになっていても、本当にはわからないんだってこと。大人は大人の世界の決まり事で世界を見ていて、そこに子どもたちも当てはめようとするけど、子どもたちは子どもたちの世界で生きていて、独自の決まりや言葉を持っているのかもしれない。そして、人もひとりひとり違って、一時交わっても、完全に一緒ではない。その違いを想像してみても、出す答えは人それぞれ。
子どもたちが、観ている自分の理解を超えた世界に生きていて、性や命の重さを感じない様子なのが『KIDS/キッズ』っぽいのかなと思った。そして、別の人のレビューに『時計じかけのオレンジ』が挙げられていて、それも似ていると思った。どっちも言葉を話すけど、若者言葉を使っているから、大人が聞いたらわからないかもしれない。特に『時計じかけのオレンジ』ではそれが意図的にやられている。どっちも観たときは字幕つきだったから、字幕なしで観てみたらまた違って見えるかもと思った。それに、今観ると、年齢の差もあってきっとそれだけで違う受けとり方になるんだろう。
「Italia」と、英語で書かれた落書き「Bob Marley ∞」だけは読みとれた。
主人公の年齢(高校生?)より少し小さい子たち(中学生?)がかわいかった。大きい子たちは女の子も含めいかつすぎる。
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