Speech & Debate / スピーチ&ディベート ~トリオのチーム力


リッチ・カールガード、マイケル・S・マローン『超チーム力 会社が変わる シリコンバレー式組織の科学』(ハーパーコリンズ・ ジャパン 2016年)の第8章「トリオ 不安定な関係」に、4タイプのトリオが紹介されている。

  • 2+1トリオ
    二人組に、重要な役割を持つ(しかし親密なパートナー関係ではない)三人目のメンバーが加わったチーム
  • パラレル・トリオ
    一人のメンバーを共有する二組のペア
  • シリアル・トリオ
    メンバーが入れ替わり立ち替わり順番にさまざまなペアを組んで協力し合う
  • インストゥルメンタル・トリオ
    メンバー全員が目標達成のための助けとなる役割を持っている


この物語の3人はパラレル・トリオに当てはまるのかな。クラブ活動の最小構成人数である3人をクリアするために集まったソロモン(Liam James)、ディワータ(Sarah Steele)、ハウイー(Austin P. McKenzie)だけど、弁論討論大会へ出場するためにディワータがチームを引っ張っていく。その様子は、『Slash』の意欲の強い女の子がシャイな男の子を活躍の場に連れ出すような感じに似ていると思った。
Slash ~二次創作小説が趣味の男の子の成長物語

弁論討論大会で「円陣を組もう」ってなったときに、「これ三角形じゃん」ってつっこんでいたときに、最小の人数で最強のチーム力が出せるのがトリオだと思った。社会は3人からと言われるように、3人集まったことで化学変化が起こる。ディワータが引っ張っているように見えるけど、それぞれが元から持っている個性を発揮させる場を得て開花していく。


ディワータは、演劇への熱が激しいけどからまわって浮いている女の子。ベッドルームから動画をYouTubeに公開していて、そのアカウントが書いてあるカードを持ち歩いて配っている。ひとりで何でもできるし、大人のことを怖いと思っていなくて、思ったことはすぐ行動に移すし、何でも言っちゃう。シングルマザーなのかな?病院で働くお母さんと言い争いになったとき、「もう大人なら、対等に私のこと名前で呼ぶ?」って言われてハっとする場面がよかった。ディワータは素直に甘えることが苦手で強がってたのかなって。彼女のしゃかりきは元々の個性もあるけど、頑張ってそうやっていたところもあるのかもしれない。そういう強がりに、さりげなく気づいてあげられるハウイーのよさ。

ハウイーはポートランドから引っ越してきて、小さな町でオープンなゲイとして生き辛さを感じている。いじめられている描写はないけど、カフェテリアで1人でご飯食べていたときフードかぶっていたし、友だちはまだできていないっぽい。だけど3人の中では、余裕のあるお兄さんという感じで、後ろから支える役をしていた。このメンバーの年齢関係がわからないけど、ハウイーは18歳って言っていたから他の子より上かもしれない。それに都会から来たってことも、広い世界を見ている差かな。

ソロモンは、ディワータと似たような浮いている子。新聞部に入っているけど、ジャーナリズム熱が強すぎて、書く記事は採用してもらえない。再婚した父親との関係がうまくいってないと思って家での居場所も不安定。もうちょっと生きやすいやり方があるだろうに、何でか生き難い道を進んでいるように見える。『The Way Way Back / プールサイド・デイズ』のリアム・ジェームズがいい感じに成長していて、また不器用なティーンエイジャーを演っているのがよかった。オースティン・マッケンジー目当てで観たので、出ていると知らなくてびっくりした。歯が小さいのがかわいい。


『Speech & Debate』は同名の舞台が元になっていて、サラ・スティールは舞台でも同じ役を演っていた。ディワータの歌やパフォーマンスが完成されていたのはそのためかな。さらにイギリスでも上演されて、そのときのキャストがDouglas Booth(ハウイー)とTony Revolori(ソロモン)っていうのが豪華!


弁論討論大会がメインではないけど、あの異様な感じは『Rocket Science』以来に見た感じでおもしろかった。
Rocket Science

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