会場に着いて、まず「すごい人！」。
2Fのフロアぎゅうぎゅうに開場を待つ人たち。みんなオシャレしてました。やっぱり黒が多め。ライブに行くアーティストに合わせてスタイルを決めるのって楽しい。

The xxのライブは日本で3回目。Unitでの単独。Fuji Rock。ラッキーなことに全部観ている。最初の衝撃はすごかった。体験したことのないようなライブ。音楽からして当時異色だった。あと、メンバーが3人になってしまって。要素はミニマルなんだけど、それぞれの息がすごくあっていて、独特な空気を作り出していた。ロミーの消えてしまいそうなかわいい声と、オリの低くて重い声。それに2人分の働きのジェイミーが作り出すビート。低音がズーンと響いて、武器みたい。もう即ファンになっちゃった。

今回のライブは新作からもやっていて、割合ではどれくらいだったんだろう。結構やっていたと思う。新作の曲については、うまくかけないと思うから書かないけど、好きだと思う。
ライブの第一の感想は、変わってないようで変わっている。
今の時代、アーティストがプライベートを守るのは大変なこと。自ら発信してなくても、目撃情報なんかでいろんな話は入ってくる。でも、The xxはまだミステリアスな存在でいられていると思う。本人たちが引きこもりでシャイな性格からかもしれないけど。それってすごく貴重。だから、私たちはステージ上にいる彼らしか知らない。でも、3人は変わらずに仲良しで、シャイで、クールだった。見た目においてもこんなに変化ないのってすごいと思った。
ジェイミーはちょっと萎んでいたようだったけど、髪切って、キャップとっただけで、黒いシャツといるスタイルは同じ。もう、ジェイミーのすべてがツボで。3人とも弟・妹のような感じで見ていたんだけど、特に最もシャイなジェイミーは誰よりも気になってしまう。去年のFujiは単独でDJしてたんだけど、ほとんど下向いてて。リズムに乗って体は動いているんだけど。愛おしい。しかもライブだと、1人で何人分もの働きをする。キーボード弾いていたと思ったら、別の機会をいじっているし。でも、ここが自分の遊び場って感じで、そういうジェイミーを見て嬉しくなる。
ロミーは、胸の上で「X」バッテンになっているデザインの透けシャツに、襟なしジャケット。左肘のところに穴が開いていた。アクセサリーは少なくなってて、鎖みたいなシルバーのネックレスと左手に指輪2、3個。不思議だなと思ったのは、ロミーの顔がさらに幼くなっていたように思ったこと。白い肌に強い目なのは変わらないんだけど、純粋さが増していて、無垢って感じ。人間じゃないみたいな時もあった。
オリヴァーはびっくりしたのが、タートルネックの上Tシャツ着てた。しかもタートルネックは皮かビニールみたいな光沢のある素材で、一人だけ頬を染めていたのはそれのせいなんじゃない？私はSMプレイしてんのかなとか変な妄想をしてしまった。途中、オリヴァーがベースを置いて別の機材を演奏したんだけど、そのセッティングに出てきたスタッフが、去り際にオリの足をタッチしていったの。頑張れって意味だと思うんだけど。深読みしちゃって…。そして、オリヴァーの目力は健在でした。ひとりだけ前に出てくるし、楽器を演奏しない時もあるし、MCもするし。3人の中で1番まともな人なんでしょうね。 

The xxのライブは、この3人のバッチリなパフォーマンスが素晴らしいんだけど、もうひとつ良かったのは照明。最初の時から、照明にはこだわっていて、そのためのスタッフを連れてきているって話だったから、たぶん今回もいたと思う。音に合わせて切り替わるライトや、後ろの壁に映し出される映像。どろどろした液体だったり、風で揺れる飾りや鳥の羽ばたき。シンプルだけど印象的で彼らの音楽に合っていた。時々、その映像がロミーの顔にも映ったりしてたから、そういうのが人間じゃないみたいに思えたのかな。「Crystalised」のビデオをイメージしてもらえばいいと思う。

最後に、1番幸せだったシーンは、観客からの「ジェイミー大好き」 「私も好き」って声に、オリヴァーが「俺の方が好き」って言って、そしたら、ロミがくすって笑って、ジェイミーは照れて消えそうになってたとこ。みんなかわいい。
あと、終わった後の退場まですごくシンプルなのね。 アンコール前なんて、オリヴァーは一足先にベースを置いて去ってたし。ロミは両手を合わせて軽くお辞儀してでも照れてて、ジェイミーもいつの間にかいなくなってた。本当の最後の時は、オリがちゃんとMCしてたけど（それを聞きながらうなずくロミー。かわいい！）、やっぱりぎこちなさの方が大きい。

純粋なのに、何にも染まらないでいられるってすごい。

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