Frances Ha / フランシス・ハ ~まだ自分が大人だなんて思えない
多摩映画祭の「疾走するアメリカン・インディペンデントの今」という企画内で鑑賞。
最初の女の子の親友同士の会話や行動ですぐに引き込まれた。
きっと、普段Greta Gerwigはそんな風にしゃべっているんじゃないかなという自然さ。
女子高生みたいなレベルで、中身のない会話だったりするんだけど、きっと女の子っていつまでもそうなんだと思う。
会話がどんどん別の方へ流れていっても気にしないとか。
そのテンポが速いし、突然だし、でもちゃんとついて行けてる。
家なし、職なしで、それでもまだふらふらできているのがすごいと思った。
ふらっと海外にも行くし。(未来のお金で)
それは、実家があって、両親がまだ元気だからできることだろうし、NYだからってのもあると思う。
(NY以上の都会は世界にないと思う)
自分のやりたいことがわからない。
でも、社会的に自由にしててもいい年齢じゃなくなってる。
それはわかってるけど、自分が大人だなんて思えない。
中身は何も変わってないのに。
そこらへんで、フランシスとソフィ(Mickey Sumner)の違いが出てきているのかなって思った。
比較的、自由な服装で責任も少ない仕事のフランシスは、変わらないままでいる。
一方、大きなビルで働いて、カチッとした服装をしているソフィは、だんだんと次の行動を始めている。
その差に、ちょっと『ゴースト・ワールド』を思い出した。
同じように思ったり、行動していたのに、社会に適応できる人とできない人がいる。
どっちが良い悪いはないけど、そのせいで友情が続かないことがあるのは悲しい。
それでも、年は取るし、時間は待ってくれないから、何もしないでいいはずはない。
その迷っている間も自分なんだって、楽しんで過ごせたらいいなと思った。
映画の中で、フランシスが喋っていた恋愛観が、すごいよかった。
内容がそのまま頭の中に想像できる、そんな喋り方だった。
ロマンチックで、本当にそうだったらいいなって思う。
だから、最後、2人の見詰め合いで大満足。
その後にデヴィッド・ボウイの80年代の曲「Modern Love」がエンドロールで流れた。
恋愛観の話とフランシスが夜の街を走っている場面が同時に思い出されて、(+私はどうも、80年代のシンセポップのドラムビートとベースラインに弱い)やばかった。
大人になると全速力で走る機会は減ると思う。
体力的な問題もあるし、必死感がかっこ悪いってのもある。
でも、昔、夜の街を全速力で走ったことを思い出すと、あれはとても楽しい気分だし、楽しい気分だったから走れたし、走るともっとおもしろかったと思う。
そこに、一定リズムの軽いドラムの音と、うねるベース、ロマンティックなメロディとボーカルがBGMで流れたら完璧。
Adam Driverについては、やっぱりこの人最高!って思った。
色気がやばい。
少しの仕草でも、アダムすごいーってなる。(顔近い!)
何が違うんだろう。
声もいいし、背も高いし、耳が変だって言われるけど、そんなの気にならないし。
写真写りはあんまりよくないけど、動いているときはすごい。
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