Les Beaux Gosses / The French Kissers / いかしたガキども ~愛おしい思春期の男の子
『Freaks and Geeks』のGeeksや、『Dazed and Confused』の新入生たちの世代の話。
14歳のエルヴェ(Vincent Lacoste)は思春期真っ只中で日々ホルモンとの闘い。だけど彼が友だち集まってやることは、テーブル・ターニング(コックリさん)やダンジョンズ&ドラゴンズのようなロールプレイグゲーム(コスプレして)という、明らかにイケてないグループの所属。だから女の子に声かけても相手にしてもらえない。でも、イケてるグループの女の子オロール(Alice Trémolière)からすると、エルヴェは「ダサいけどちょっとかわいい」子。ということで目をつけられて、エルヴェはオロールのフレンチキス相手になる。そして口が達者で知識ばかりある親友のキャメル(Anthony Sonigo)におだてられて調子に乗るエルヴェ。何とかイケてる彼女について行こうと必死になるけど、それは公の相手としてではなかったようで、あっさりイケてるグループの男子たちにぼこられる。
女の子ってわかんないって負けながらも、好奇心いっぱいに行動していくエルヴェがかわいい。夢中になりすぎるあまり、友人同士の距離感まで狂ってしまってるところも愛おしい。他にも、親がうざったくてキレるのや、イケてるグループからは理不尽な暴力を受けて納得いってないのに、自分たちより下だと思ってる子には容赦なく厳しいとことか、浮かれて鼻の下を伸ばしているのや、他人の目を気にして親友を無下にしてしまうのや、思春期真っ只中の男の子の愛おしい姿がたくさん。しかも、エンドロール曲がThe Vaselines 「You Think You're a Man」で、泣ける。
大雑把でお節介だけど愛情たっぷりなシングルマザーのお母さんをはじめ、風変わりな教師たちなど大人の脇役もいいけど、子どもたちがみんな純朴なのがいい。ほとんどの子ににきびがあって、リアリティのあるキャスティング。服装もお母さんが選んだようなもっさいジャンパーを着ているし(エルヴェのパジャマはクマ柄)、髪型も伸びっぱなしって感じ(キャメルはマレット!)。
主演のヴァンサン・ラコストは、ださかわいい容姿で、思春期真っ只中の男の子を好演?それかそのままの姿を出し切っていたのかも。親友役のアントニ・ソニゴも、申し分のないサイドキックで、いい味を出していた。
どう見てもイケてないグループ |
生徒たち |
2009年の映画だけど、時代設定はもうちょっと前っぽくて、「歴史上の偉大な人物」というレポート課題にエルヴェは50 cent(フランス語で50はサンカント)を選んでいたし、椅子にはGood Charlotteのステッカーが貼ってあった。
だけど、アメリカのイケてない男子中学生はキスするところに行くまですごく大変な道のりなのに、フランスの子はそこのハードルは低いんだね。お国柄?それでいえば、『アデル、ブルーは熱い色』でもそうだったけど、フランスの学校は校庭に集まる習慣があるのか、事件はロッカーのある廊下じゃなくて、校庭で起こることが多い。あと、バナナ食べすぎ。
監督と主演俳優たち。愛情が溢れてる。 |
フランス映画祭2015特別関連企画
彼らの時代のすべての少年、少女たち
アンスティチュ・フランセ日本
最終 6/30 16:30~
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1506301630/
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