L.I.E. ~15歳。ふらふら
主人公のHowie(Paul Dano)は15歳。
父親と豪華な家で暮らしている。
母親は思い出の中。
父親と若い恋人の関係が嫌だ。
ひとりでいる。
友だちのGaryにつきあって、悪いことに手を染める。
でも別に、そんなことはどうでもいい。
Garyが美しかった。
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だいぶ前に見たからもうあんまりはっきりと覚えてないんだけど、ちゃんと観たことを書いておきたいと思っていた作品。
Twitterで知って読んだBlogがきっかけで、なんとなく書きたいことがわかった気がしたので書いてみる。
いきするひとたち
このブログは、わたしたちと同じ時間を過し生きている、自分らしく息するひとびとを紹介するブログです。ジャンルはノンジャンル。ぜひ自分も紹介してほしいという立候補も受け付けています。
このインタビューに出てくる若者たちは、みんな何かこれだっていうものを見つけてて、それを中心にしつつふらふらっとしたり前へ前へだったり、それは人それぞれだけど、自分が生きるってことを深く意識している感じがした。
こういう人に出会って、その人たちの話を聞いて、公開してるBlogの作者の人もすごいと思う。
また、みんなそれぞれにBlogをやっていて、それもいろいろでおもしろかった。
そして、このBlogがやばかった。
脳髄の神秘
文章が生々しいというか、頭がいいんだろうなって思うし、グッとつかまれる言葉があちらこちらにあって。
やられました。
朝方シャワーを浴びながら泣きそうになって思わずシャワーの温度を上げてしまったんです。
―生まれ変わりました
これだけでももう泣ける。
『My Mad Fat Diary』のシーンが浮かんだからかな?
シャワーの温度を上げる→白い肌がだんだん赤くなる
これは自傷癖のあるRaeについての描写だけど。
『L.I.E.』の冒頭シーンは、Howie(Paul Dano)が高速道路の上にかかる橋をふらふらしてるっていうもの。
高速道路の上にかかる橋って映画で出てくるときは、だいたい自殺するんじゃないかっていうシーン。
フェンスがない場合だと、壁のところに登って、そこを歩いてみたりする。
すごいスピードで走ってく車を見下ろしながら、行ったり来たりして、迷ってる。
そのふらふらしてる、迷いの部分が15歳なのかなって思った。
15歳だけじゃなくて、それくらいの年代。
また、2001年ってのは、「Whatever」世代と言われる流れよりは早いかもしれないけど、そんな空気を持った映画だと思った。
Paean to the 'whatever' generation
『Paranoid Park』(2007)とか、 『The Chumscrubber』(2005)とかそんな感じ。
『Storytelling』 (2001)のMark Webberの話も近いものがある。
年的にもこれが1番似てるのかな?
ちゃんとしたお家があるんだけど、その中に居場所がなくて、かといって外の世界にも興味を持てない。
1番影響を受けるのは友人。
それも昔から付き合っているから友だちってだけだけど。
ちょっと成長したら、急に世界が広くなって、でも自分は何にも変わってないからどうしたらいいのかわからないって感じが15歳くらいなんだと思う。
そんな時に、自分はこれです!って強く言える何かがあるといい。
そしたら迷いも少なくなる気がする。
自殺の悩み相談について、“宗教が自殺を禁じている”って書いてる人がいて、本当宗教って便利だよなって思った。
『ライフ・オブ・パイ』のところでも書いたけど、信じるものがある人の方が強くなれると思う。
それは宗教じゃなくてもいいんだけど、それを見つけるのって大変だから、生まれたときから与えられてたら楽。
それが怖いってこともあるから簡単に楽だからって言っちゃいけないんだろうけど。
自由のが大変ってのに似てる。
結局まとまってないけど、『L.I.E.』は美しいGaryを見るだけで十分な価値があるってことは言いたかった。
15歳の瑞々しい美しさ。
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