Snowtown / スノータウン ~殺人事件の加害者であり被害者でもある少年
もう観たのはだいぶ前になるけど、酷すぎて書くのが嫌で放置していたけど、思い出すのも、もう一度観るのも嫌だからやっぱり書いておこうと思った。
1992年から1999年にかけて、オーストラリアのアデレード郊外ソールズベリーで実際に起きた「スノータウンの男女12人猟奇殺人事件」を映画化
(amazonから)
観てみようと思ったのは、パッケージに載っていた主人公の男の子(Lucas Pittaway)がかわいかったから。
でも、1回手に取ってやめていた。
だって、見るからに重そうなんだもん。
今日は観るぞって気合入れないと観れないタイプ。
なので、一旦は観るのをやめたんだけど、やっぱり気になって観てみた。
途中でやめたくなるくらい、残酷な話だった。
描写が生々しいのも辛かった。
映画館でポップコーン食べながらは絶対無理だね。
この子どもたちをかわいいって思ったり、共感したりしていたら、この話はその気持ちを裏切る。
なんのお情けもなし。
この話の主人公が16歳の男の子じゃなかったら、こんなにも悲しくなかったかも。
(そしたら、そもそも手に取ってなかっただろうけど)
主人公のジェイミーは、加害者であり被害者でもある。
母子家庭の家にやってきた母親の新しい恋人ジョン。
男らしい男で、快活な性格、リーダーシップがあって、人の話を聞いてくれる優しさもある。
そんなジョンに、子どもたちも懐いていく。
ジェイミーは、不幸ではないけど幸福でもなかったように思う。
住んでいたところは田舎。
学校には行っていたかな?夏休みだったっけ?
弟は、ひとりは障害をもっていて、もうひとりは小さいので、親友みたいな関係ではない。
兄はあまり相手にしてくれない。
人生の目的や目標がなく、ただぼんやりと、貧しい暮らしを送っていた。
そんな何もないところにジョンが来た。
大人のような扱いをしてもらえることが嬉しい年頃かもしれない。
自分があるようでまだ完全体ではない。
柔軟な心。
流されやすい。
嫌だと思っても、嫌われることの方が嫌だ。
今、この瞬間のことと、これから、未来のことがつながらない。
子どもだからって罪が許されるわけじゃないけど、最初から悪を持って生まれる人はいないから、悪いのはこの子どもだけじゃない。
どこかで何かが違ったら、この子は犯罪者じゃなかった。
被害者としての傷は癒えないかもしれない。
けど、犯罪者になって傷つくことはなかった。
どっちがいんだろうって思うと、犯罪者にならない方がいいよね。
犯罪者が生まれると、そこには被害者も生まれるから。
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