Hævnen / In a Better World / 未来を生きる君たちへ ~復讐について考える
デンマークの子どもが見たいなと思って気軽に観たら、ちょうど今考えさせらる内容だった。
いろいろな物語がからみあっているけど、根本で伝えたいことは、タイトルになっているとおりだと思った。
Hævnen (デンマーク語:復讐)
In a Better World (英語:よりよい世界で)
未来を生きる君たちへ
復讐もいろいろある。
子どもの世界(学校でのいじめ)。
地域社会(町でのさばっている暴れ者。人種差別)。
過激派集団(アフリカでの妊婦殺し)
やられたらやりかえす。
暴力には暴力を。
それが続くと世界はだめになってしまう。
それを子どもに話す父親。
その話は、信頼関係のある息子には通じるが、息子の友だちには通じない。
クリスチャンにはその話を受け入れる余裕がなかった。
クリスチャンは、母親をがんで亡くしたばかりで、父親は出張が多くあまり家にいない。
お母さんはよくなるって思っていたのにならなかった。
そのため父親を信用できなくなっていた。
話をしようと父親が歩みよってくるが、それも形式だけのことに思えてしまう。
心を閉ざし、意欲を失ってしまった。
だからもう、どうなってもよくなっちゃったのか。
父親と母親の死について話たとき、クリスチャンは父親のお腹をなぐった。
その小さな行動が、何か変わるきっかけになるかと思ったのに。
エリアスの大好きな父親はアフリカの難民キャンプで医師をしているためあまり会えない。
そして離婚の危機にある両親を心配している。
スウェーデン人であることや、歯列矯正をしていることをいじめられていて、学校ではずっと孤立している。
クリスチャンに出会い、仲間ができた。
暴力的な彼の行動には賛同できない部分もあるけど、一緒に遊んでみるとおもしろい。
父親が危ないから行ってはいけないと言った場所にもクリスチャンが行くから行く。
エリアスには、無条件で彼を愛してくれる親がいた。
頼れる存在で信頼しているけど、話を聞いてもらいたいときに側にいない。
だからクリスチャンのところへ行った。
大人びていて賢いひとりっ子の主犯格と、想像力が豊かで優しい長男の実行犯という組み合わせは、ちょうど興味を持って調べていた事件の関係に似ていておもしろかった。
誰もひとりぼっちは嫌なんだけど、ひとりっ子の子の方が強い。
長男は長男なりのプライドで頑張るんだけど、どこかで優しさが出てしまう。
0 comments