Paper Towns / ペーパータウン ~人気小説の映画化はキャストが命
同名ベストセラーYA小説の映画化。原作者ジョン・グリーンの映画化2作品目。今回も、製作としてジョン・グリーンが深く関わっているようなので、『The Fault in Our Stars』と比べずにいられない。『The Fault in Our Stars』はキャストがすごくよくて成功したと思う。そして今回は、『The Fault in Our Stars』の脇役で輝いていたNat Wolffが主役に抜擢された。文化系な男の子のクエンティンに申し分ないと思った。また、主人公の憧れの幼なじみマーゴをCara Delevingneが演じた。これも風変わりで目立つ女の子にぴったりの配役だと思った。そして、旅の仲間たちで、三銃士となる主人公の親友を演じたAustin AbramsとJustice Smithも初めて見たけど、それぞれよかった。よかったんだけど、この三銃士のバランスがどうもいまいちだったのが残念。
Nat Wolff : December 17, 1994
Justice Smith : August 9, 1995
Austin Abrams : September 2, 1996
年齢だけ比べると、そんなに変わらないのに、並んで見ると、どうしてもナット・ウルフだけ老けて見える。ナットは背が高くて体格がいいってのもあるけど、他の2人がかなり幼い見た目。しかもナットのがベテランなのでオーラがあるし。ただ……ナットが劣化したというのも否めない。太った?あご周りがなんか気になった。
でも、マーゴの冒険に付き合って、色々成し遂げた後に、清々しい様子で車の窓の外に身を乗り出して風を感じているマーゴを見つめるクエンティンの顔はよかった。そこだけすごくかわいいナットに撮れてたと思った。後は、だいたいぼやっとしたおっさんに見えた(ごめん)。ナット・ウルフの演技が悪い訳ではない。レイシー(Halston Sage)とバスタブに入るところの気まずい感じとかすごくよかったし、この年代の文化系男子では1番正解に近いとも思ってる。
オースティン・アブラムスは原作を読んだ感想では、ベンは3人の仲で1番お調子者で、ムードメーカーなキャラクターだったから、この小さい子で大丈夫かと思っていた。けど、どうしようもなさとか、それでも憎めない感じとか、すごくよく演じられていた。ナットの時みたいに、また青春モノで声がかかりそう。
うーん、だけど、やっぱり3人の相性をもっと重要視して欲しかったと思う。原作を読んで見たからより強くそう思ってしまうのかもしれない。映画には時間の制約があって、削られる部分がある。今作では、クエンティンがマーゴを探す部分が短くなっていた。本ではなかなかたどり着けなかった印象だけど、映画では随分簡単にたどり着いたように感じた。また、カーラ・デルヴィーニュの個性に助けられてマーゴという人物がどういう存在なのかは想像つきやすいけど、クエンティンやベン、ライダーについては少し足りなかったかなと思う。この3人がどういう友だち関係で、クエンティンがどういう物の見方をする子なのかってのがもっとわかってからのラストだとより満足感があったのかな。
まだ2作品で結論を出すのはどうかなと思うけど、ジョン・グリーンの作品は本で読んだ方がおもしろい!『ペーパータウン』をナット・ウルフとカーラ・デルヴィーニュの配役がわかったところで読み始めたけど、それがキャラクター描写の助けとなって、読み進めやすかった。この2人の配役は本当に完璧だと思う。
次は『アラスカを追いかけて』が映画化される。『Electrick Children』のレベッカ・トーマスが監督、女優で監督・脚本家としても活躍しているサラ・ポーリーが脚本を担当することが決まっているが、キャストはまだ。女性たちが男の子主人公の話をつくるのか……本の方がおもしろいと言いつつ楽しみ。
ジョン・グリーン
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